2009年9月24日木曜日

英国民間の気候変動ビジネスの動向

1ヶ月ぐらい続いた欧州とアフリカの出張ももうすぐ終わる。移動しているともうだいぶ昔の事に感じてしまうが、3週間前はロンドンにいて、日本の関係者を連れて、気候変動ビジネスをしている会社を二社訪ねていた。

どちらも知り合いがいるので紹介したところだが、どちらも興味深いビジネスをしているところだ。CarbonTrust社は元々は、政府機関だったが、今は国からの委託されて、気候変動ビジネスに投資している機関だ。

そして、彼らが投資した分野に民間機関が更なる投資をする。CarbonTrust社から融資を受けたということで、民間機関も「お墨付きがでた」と安心して投資をする仕組み。今のところ、CarbonTruust社が1投資すると、民間機関は10投資するらしい。



それから、CarbonLabelなる物を作って、そのシンポルを商品に貼り付けることによって、更なる「お墨付き」ビジネスも展開している。いわゆる日本のJISマークを民間機関が気候変動バージョンを作ったのである。民間機関がこの様な事をして、ディファクトスタンダードになることはそれほど珍しいことではない。英国のソイルアソシエーションが作った有機商品マークが有機商品の販売ではディファクトになっている。

日本でも、似たように取り組みがおこなわれており、ある程度他国と協力しておこなっているようだ。違う点は日本は当然のごとく国がイニシアティブを取っておこなっている。変な方向に行って、日本独自の二酸化炭素マークにならない事をねがう。


それから、今は中国とのビジネスに力を入れている。日本では知的財産の漏れが心配で進出を躊躇している節があるが、彼らにとって中国は、「忘れてしまうにはもったいない」大きさの市場だと言っていた。

もちろん、彼らも何も対処していないわけではない。

- 最先端技術は出さない。そこそこ枯れた技術でも中国では有効。
- 中国にも投資させる。同じ船に乗せることにより、技術が漏れることにより、事業がうまくいかなくなるリスクを共有させる。
- 政治的な圧力を掛け、上から条例や罰則などで、技術の漏洩を阻止する。

それでも、英国はリスクテイカーだと思い知らされる。

まとめると、やはり英国の商魂の強さがある。

- 途中半端でも、危なくてもとりあえずはじめる。
- ディファクトスタンダートを取るのがうまい
- 民間主導