2012年9月3日月曜日

気候変動がインドネシアの稲作に与える影響―脆弱性という考え方(6) ~気候変動、水資源、米の生産~

これが最後です!1回2回3回4回5回の話を元に、気候変動、水資源、米の生産に付いて再度簡単に述べますね。


気候変動、水資源、米の生産

現在でも、バリ島は水資源が少ないと言われています。今後、観光客や人口の増加と考えると今後も水資源に対する需要が伸びることでしょう。同時に、バリ州政府は、島内の食糧保全だけでなく、国内有数の稲作地として、コメの生産に力を入れる必要があります。今後の水資源の収支を予測すると、バリ州9地区全てで、1年中水資源が充分に無いとの報告が出ています。これは他の島と比べて最悪の状況です。その為、今後コメ生産を保つために何らかの対策が必要になってきます。







脆弱性から考えると、例えば以下の様な事が言えるでしょう。貯水池などから、水資源を確保し干ばつの暴露度(exposure)を下げる。被害が及びそうな地域を水田として選ばず、感度(sensitivity)を下げる。または、肥沃な水田を非水田に転換しないことで、土地利用を有効にする。干ばつに強い種子や機械の導入の技術指導や資金のサポートし、適応能力(adaptive capacity)を上げる。特に、適応能力を上げることは、他の経済的発展をサポートする事に繋がり、気候変動に脆弱な地域と経済開発が遅れている地域が重なっていることもあり、政策決定者は適応の費用を割り当てる際も、他の開発費用とトレードオフにする必要がありません。その為、適応能力の向上は、開発問題の解決にもつながると考えられており、近年注目を集めています。













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