2013年11月6日水曜日

「気候変動適応策・脆弱性のトレーニング」と「気候変動脆弱性コンセプトの変化の兆し」~ロンボク島で仕事始め~

始まりました。


ストックホルム環境研究所への出戻りで、ある意味初仕事が始まりました。


今回は、元同僚で同僚に戻ったベンと、気候変動の適応策と脆弱性のトレーニングを現地政府とNGOと行います。ベンは昔から、少年の様なイケメン君でしたが、全く年を取っていませんでした。何か、秘策があるのでしょうか。僕のオックスフォード支部は、イケメンと美女ばかりでしたので、クールでいるのが大変でした。



自己紹介を行い。僕はアクセントから、ロンボク人と間違えられました。バリではバリニーズに間違えられます。良いことをしておきましょう。




インドネシアでワークショップをすると、撮影会と大きな看板は絶対です。


せっかくだから、気候変動の脆弱性の説明をいたしましょう。

気候変動の脆弱性はわかりにくいコンセプトかも知れませんが、分割すればわかりやすくなるかもしれません。

結構前に、脆弱性の説明をしましたが、その頃から世界的なコンセンサスが変化して来ています。


まず、一番大事なことは、脆弱性(Vulnerability)は災害(Disaster)や災害の可能性(Exposure)とは違います。例えば、フィリピンは「雪崩以外の災害は全て存在する」と言われています。そして、日本は「雪崩を含め全ての災害が存在します」。しかし、日本はフィリピンより、天候災害に対して脆弱であるとは言えません。それは、経済的、技術的、社会的に災害に抵抗・対応・適応する能力が高いからです。



脆弱性(Vulnerability)は、災害に対する暴露度・可能性(exposure)だけでなく、感度(sensitivity)と適応能力(adaptive capacity)によっても形成されるとIPCCの第四次報告書で定義されていました。






僕もこのコンセプトは好きですし、正しいと思っています。しかし、ここ数年でコンセンサスに変化の兆しもあります。

たとえば、IPCCが出した極端現象と災害に関するスペシャル・レポート「Managing the Risks of Extreme Events and Disasters to Advance Climate Change Adaptation (SREX)」では、「悪影響を及ぼす傾向または素因(the propensity or predisposition to be adversely affected)
と書かれています。これは、IPCCの第四次報告書とは違っていますね。

http://ipcc-wg2.gov/SREX/
IPCC via kwout

そして、これは以前に述べた、災害に対する暴露度・可能性(exposure)を考慮する必要がないとする「潜在的は脆弱性」(Contextual vulnerability)に近いでしょう。前回はIPCCに認識されていないコンセプトとして、紹介しましたが、IPCCのコンセプトの一つになりました。

これは、不確定な気候変動に頼るよりは、確実な社会的な脆弱性の要素である感度(sensitivity)と適応能力(adaptive capacity)にフォーカスすると言う考え方で、それはそれで良いのかもしれません。脆弱性評価のシンプル化を狙ったものかもしれません。

そして、この春に正式に採択されるIPCCの第五次報告書の第二ワーキンググループのレポートでは、感度(sensitivity)が消え去り、災害に対する暴露度・可能性(exposure)の中に吸収される見込みです。つまり、上の図のインパクト(Impact)が暴露度(exposure)に置き換えられる可能性が高いです。

感度(sensitivity)はわかりにくいコンセプトですので、シンプル化が行なわれたのでしょう。感度(sensitivity)は大事なので、考慮する必要はありますが、わかりやすくする事は大事だと思います。

京都議定書がなぜ成功したかと言うと、「測定を二酸化炭素に統一したシンプル化」が有ったからだと思います。適応策と脆弱性はまだまだ若いコンセプトです。僕もこの変化に柔軟に適応していこうと思います。

お後がよろしいようで、また!






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