2012年2月22日水曜日

インドに行って来ました3。~インドのクリーンな調理コンロの現状~



インドに行ったもう一つの理由は、インドのクリーン・コンロの現状を見てみたかったからです。人間の行動分析をするのが好きなので、気候変動の適応策が好きです。同じように行動分析の一環から途上国の調理コンロの購買分析も好きなわけです。

クリーンな調理コンロとバイオマス燃料については、数年前のブログにその事を書いていますので、今回は詳しくは書きません「2008-04-02 アフリカのバイオエナジー(バイオ燃料)事情 」。



英語が読める方ならBoiling Point.に掲載されたこの記事をお読みください。



原始的なバイオマス・コンロからクリーンはコンロに移行よって得られる利点はたくさんあります。


  1. 森林伐採の削減。
  2. 気候変動・温暖化への対策。
  3. 屋内の空気汚染の削減。

コンロの仕組みを変えるだけで、燃料効率があがり、薪を多く使わなくてもよくなり、森林伐採の削減を助け、気候変動・温暖化への対策になります。そして、燃焼が良いということは、排気もよくなり屋内の空気汚染の削減になります。バイオマス・コンロの排気から肺炎になって亡くなる人は世界で年間150万人居ると言われています。これは、マラリアとHIVで亡くなる人を合わせた数より多いです。


利点が沢山あるのになぜ移行しないのか?それを調べることに興味があります。


インドに舞台を戻します。まずIPCCのパチャウリ議長が所属することで有名なTERI - The Energy and Resources Instituteで私がアフリカで行ったクリーンコンロとバイオ燃料のプロジェクトをプレゼンしました。







そのまま空港に向かって、TERIの長年のフィールドであるLocknewに向かいました。デリからの飛行機の一時間の街は輝いていましたが、そこから車で南に走れば薪などのバイオマスを使った調理コンロが主流の村になります。

インドのタクシーは恐ろしいです。絶対死ぬと思いました。







今回の旅に同行したのは、ストックホルムのフランシスとインド人のスタンジン。



フランスは一緒にアフリカのプロジェクトを行った同僚です。








スタンジンはオックスフォードで私が指導したインド人の留学生。













僕らはまず、TERIが普及活動を行っている既存の七輪のようなコンロに小型の扇風機をつけた物を見学した。ファンをつける事で30%以上の効率化を達成している。一番安いので、20ドルでステンレス製になると50ドルです。











それから、このコンロを実際使っている家庭を訪ねてきました。子供にも安心安全なコンロです。







写真の彼女のコンロがピカピカなのは、兄弟が古いのを持っていったからです。そして、近所の人も使っています。これは皆が良いことを分かっているので、普及に関して良いサインですね。











先程、彼女のステンレスのコンロは50ドルとしたが、バッテリーはもう少し高いだろうし、電気の部分の信頼性が普及の問題だろうと思います。電気はソーラーパネルから充電しています。






皆でチャイをごちそうになりました。











隣には、LPガスのコンロと昔のコンロがありました。昔のコンロはほとんど使われていないようですが、LPガスのコンロは今もキッチンの中心に構えています。その定位置がいつかこのクリーンコンロによって置き換えられるのでしょうか?



クリーンコンロを使うと、半年のLPガスの消費を抑える事ができるので、購入費のリターンは1年から2年と言われています。それでも、LPガスの使用がなくなることは当分無いでしょう。それは、「急いでいる時は、LPガスでそれ以外は薪」と使い方を分けているからです。


このように新しいコンロを購入しても古いコンロを使い続ける状況が広く見受けられます。燃料が移り変わるFuel ladder(燃料の階段)に対応してFuel stack(燃料の積み上げ)と呼んでいます。


明日は太陽エネルギーを使ったランプビジネスを紹介します。

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