2013年11月27日水曜日

【告知】新しいブログ「赤い大地と僕の自転車」 ~1993年、8ヶ月、17500キロ、携帯電話無し、インターネット無し、独り言いっぱい、自転車でオーストラリアを一周~


やるやる詐欺でしたが、ようやく、20年前の1993年、8ヶ月、17500キロ、携帯電話無し、インターネット無し、独り言いっぱいで自転車でオーストラリアを一周したことを別のブログで書くことにしました。


1993年に8ヶ月かけて約18000キロを自転車でオーストラリアを一周しました。このサイトはその事を今更ながら、公開しようと思います。


この自転車旅行を行ったのは、ちょうど20年前のことです。自分でも段々、記憶がぼやけてきています。たまに友人を昔話をすると、「砂漠一面に花が咲いてさー」とか、「500キロを40リットルの水を積んて無補給で走ることがあったよ」とか、話が出てきます。ちょうど半年前の2013年7月9日に、一時帰国で日本に帰った時にも、同じような事がありました。中年になって、同じようなことばかり言うのも嫌だと思っていますが、昔話になり、20代に友人と居酒屋で楽しんでおりました。


その中のひとり、長島さんに、「その話面白いですね。本にしたらよいと思います」と言われました。他の人にも、「本にしたら絶対に買いますよ」と言ってくれました。研究者として、学術誌に論文を投稿はしていましたが、本を書くことには興味がありませんでした。特に、日本語で長文を書いた事がありませんので、自信もありません。しかし、20年経って、自転車旅行の曖昧な記憶が、綺麗サッパリ消えてしまう前に、本にするのは面白いかと思い始めました。初めて、本を書くには良い題材かも知れません。今はKindleで簡単に自主出版も出来ます。


そんなことをぼやぼやと考えつつ、一時帰国の本当の目的である親父の一周忌に出席するために、四日後に愛知県の実家に帰りました。一周忌は、淡々とすすみ、お坊さんのありがたいお言葉を聞いて終わりました。昨年、30代の最後に親父を無くすとは思ってもいませんでした。親父も60代であの世に行くとは思っていなかったでしょう。この一年、人生は短いなと思いっていました。「明日があるとは限らないな」と心の中でいつもつぶやいていた一年でした。親父は、おふくろとの旅行を内緒で企画していましたが、それは実現しませんでした。「僕はどうなんだろう。何かやってみようを思うことはないだろうか。」これも自問していた一年でした。


はなんとなしに、実家の自分の部屋だった所に行くと、本がぎっしり詰まった本棚があります。高校時代は全然勉強しませんでしたが、本は沢山読んでいましたので、その頃の本が今だに詰まっています。眺めていると、実家に帰ると時々開けてみる昔の日記達に目が留まりました。その中に、オーストラリアの自転車旅行の日記もありました。


二十歳の「カッコつけ」だったので、オーストラリアのビールのラベルとトップレスの女性のシールが張ってありました。20年後に客観的に見るとなんじゃこりゃで、何がかっこいいかわかりませんが、20歳の僕は必死にカッコつけしていたのでしょう。またなんとなしに、その日記をランダムに開けてで読んでみました。


「ほんとだ、面白いな。」


続きは、こちらから読んでください。
http://cycle93oz.takeshitakama.com/2013/11/blog-post.html

よろしくお願い致します。
2013年11月27
高間 剛 バリ島にて

2013年11月21日木曜日

緑のカーペットに囲まれた天然プール、Natural pools surrounded by green carpets ~バトボロン・ビーチの紹介、Introducing Batu Bolong beach ~


これは最近、バリ島のチャングーにあるバトボロン・ビーチにできたOldmansカフェの壁画です。Oldmansはバトボロン・ビーチにあるサーフポイントです。サーファーは場所でなく、波に名前をつけます。よく見ると、沢山のサーファーズ・トークが散りばめられていますね。
"昨日来るべきだったよ。"

"見た目より大きいよ。"

"1分は乗ったね。"

大事なの事は、どれも見栄っ張りの発言で、真実ではないことです。しかし、ぼくらはが毎日言っていますね。

とにかく、僕の一番大好きなバトボロン・ビーチです。



This is a wall painting of Oldmans cafe recently opened on Batu Bolong Beach in Canggu Bali. Oldmans is a surf point in the Batu Bolong Beach. Rather than a place, surfers name a wave. If you look closely, there are a lot of surfers' talks in the painting.

"You should have been  here yesterday."

"It's bigger than it looks."

"That one minute ride."

The point is they are all saying vain and not true. , However, it is what we are saying everyday.

In all, this is Batu Bolong Beach, my favorite beach. . 




今日は、波も天気も良くなかったです。雨季が来ていますね。僕は水に入れればそれで満足するので、ここでは1年で360日はサーフィン出来ると信じています。だから、僕が、海に入らないということは、誰ひとり海に入っていませんでした。

だけど、干潮時の岩の形成は素晴らしく、ロックプールも良いので、それに触れるだけでハッピーになれます。


Today, waves and weather was not good. I guess rainy season is coming. As long as I get into the water, I'm satisfied, so I believe we can surf here 360 days in one year. Usually, if I do not enter the sea, noone is in the sea.

But rock formation and rook pools are amazing, so I can be happy to just touch them.




今日の写真ではないですが、最高の状況だと、緑のカーペットに囲まれた天然プールが出現します。


These are not the pictures of today.  In the best situation, natural pools surrounded by green carpets emerge..





家の長男もサーフィンの後に温泉気分です。


My eldest son was also in a hot-spring-mood after surfing.



これは今日の写真ではありませんので、実際には、長男はヴィラ・ビジネス用のプールで遊んでいました。

These are not today's photos, so he was playing in the pool of our Villa for business in the reality.



それから、家にはコットン・ツリーがあるので、こんなオーガニック・コットンが芝生に落ちていました。今日も平和です。


Then, there is a cotton tree in my villa, this organic cotton fell onto the lawn. It is peaceful again today.







2013年11月20日水曜日

国連気候変動会議COP19の真の争点~「途上国と先進国の対立」、「謎の家具の出処」~



奥さんのヴィラ経営のための、家具探しに付き合わされております。バリは平和です。何故この家具の写真を出したかと言うと、今回の気候変動の話に関係があるからです。最後に説明します。

ここからは、気候変動に関する記事で、ご興味のない方は最後まで読み飛ばしてください。



ポーランドでは、世界的には既に関心事項ではなくなってきている国連気候変動会議COP19が開催されおります。ある意味、期待されたように、議論はすすんでいないようですね。

http://www.wwf.or.jp/activities/2013/11/1170719.html


問題点は、途上国と先進国の対立です。これは、二酸化炭素削減の「緩和策(Mitigation)」だけではなく、気候変動が起こってしまった世界に対応するための「適応策(Adaptation)」、そして、適応策でもカバーできないようなような、「損失と被害(Lost and damage)」にも及んでいます。

「適応策」や「損失と被害」は先日書いた汚染者負担原則もしくは、既存の国際開発論にもとづいて議論されるでしょう。これは、先進国が、汚染者もしくは援助者として、途上国の「適応策」や「損失と被害」をサポートし、途上国はもっぱらサポートされるといった明確なポジションがあります。

しかし、「緩和策(Mitigation)」の場合、サポートすることも含まれるが、争点は「途上国と先進国の排出量の割合」である。


  1. 途上国からしたら、「いままで、先進国が排出してきたから気候変動になった。だから、先進国が二酸化炭素の削減をするべきだ」。
  2. 先進国からしたら、「途上国からの排出量が増えてきているのだから、途上国も排出量を削減する必要がある」。


実は、これは開発し発展する権利の主張を議論しているわけです。開発するためのには、エネルギーが必要です。エネルギーの消費を上げなくても、開発ができるというのはキレイ事で、現在までに、比較でなく絶対値でそれを成し遂げた国は存在しないと思います。ちなみに開発とエネルギー消費を切り離す事をデカップリングといいます。上記の議論を言い換えると、以下のようになります。


  1. 途上国からしたら、「いままで、先進国がエネルギーを消費して、開発と発展をしてきた。だから、先進国はエネルギーの消費と発展をを我慢すべきで、途上国がエネルギーを使って発展する権利がある」。
  2. 先進国からしたら、「途上国は、エネルギーを急速に使いすぎて発展が早過ぎる、だからエネルギー消費を抑えてください。先進国の景気はよくありませんので、今後もエネルギーを使って発展を目指したいです」。



議論とは、「妥協の産物」であり、視点が違うとどちらが絶対に正しいといえません。しかし、議論の争点がよく分かる国際的なシンクタンクが出しているこのレポートを提示いたしましょう。


まず、下記のグラフを見ると過去150年で、EUは全体で27%の化石燃料からの二酸化炭素を排出してきました。しかし、90年代だけに限って見ると、16%に排出の割合が減っています。替わって、中国やインドなどの新興国が台頭してきています。

しかし、インドでも数%ですので、途上国グループからの各国の排出量はまだまだです。でも、中国は無視できないですね。




しかし、このグラフを見ると真の争点が出てきます。二酸化炭素の排出を化石燃料だけに限らず、森林伐採からの土地利用変化まで含めると、インドネシアやブラジルなども一気に重要度が上がります。そして、アメリカのやEUなどが排出した割合は16%程度まで一気に下がります。




一つ目のグラフから、私が思うのは、やはり途上国は、まだまだエネルギーを消費して開発する権利があると思います。しかし、きちんと排出量をモニタリングすることは必要であるとおもいます。減らすことを強要しないで良ければ、モニタリング自体は受け入られると思います。


2つ目のグラフから、真の論点は開発の質ではないかと思います。急速な森林伐採などは、気候変動問題だけでなく、生物多様性の問題も含んでいます。いまでは年間4万種の生物が絶滅しているという報告もあります。


結局、開発の質を問えば、排出量の話をしなくてはいけませんが、今までの再生可能エネルギーだけでなく、きちんとした開発をするための技術協力や生態系保全など、別の側面からのサポートもできると思います。もうすこし、そのあたりも議論されて報道されると良いなと思いました。


最後に、最初の家具の写真の話をしますね。この家具は古い船を再利用して作られております。


木材はすごく長持ちする材料です。うまく使えば何百年も持ちます。今住んでいて、ヴィラ経営を計画しているインドネシアのジョグロも築150年以上と言われています。できれば、こんな再利用木材を使って、森林伐採を減らしたいですが、難しいですかね。


2013年11月18日月曜日

ワールドツアーの終了。~「星を継ぐもの」、「Oikocredit」、「アジア開発銀行」、「気候変動適応策への投資」~


バリに帰ってきました。



一ヶ月続いたワールドツアーも終わり、ようやく一段落してバリ島で落ち着けそうです。過去一ヶ月の日程は以下のようでした。

実家(2日)⇒東京・長嶋さん(2日)⇒オックスフォード(2日)⇒ロンドン⇒(2日)⇒ストックホルム(3日)⇒機内泊(1日)⇒横浜(1日)⇒実家(1日)⇒バリ島(1日)⇒ロンボク島(3日)⇒バリ島(1日)⇒ドゥマゲッティ(5日)⇒マニラ(2日)⇒バリ島


バリに帰ってきて、インターネットが切断されていたので、久しぶりに腰を据えて、小説を読みました。何ヶ月ぶりに仕事に関係ない本を読みふけったことでしょう。ちょっと休憩です。読んだ本は、星を継ぐもの(Inherit the Stars)。疲れた時は、空想にふけるのも良いでしょう。2500万年に及ぶ、地球外生命体に関するSFですが、推理小説でもあります。事実だけに着目して、謎を明らかにするのは科学調査の正しい進め方で、為になります。

小説は、ベストセラー本でなく、ロングセラー本を読むべきです。


インターネットがないので、近所のカフェに来ています。



小鳥が迎えてくれます。癒やされましょう。



奥さんは、ヴィラ経営の為の、家の増築を進めています。




話をマニラに戻します。


マニラでは、以前お世話になった国際的なマイクロファイナンス基金のOikocreditアンディーさんにあってきました。



彼らのクライアントのマイクロファイナンス機関は太平洋にもたくさんあり、今回の台風でも多くの被害を受けたそうです。アンディーさんとは、3年前に、数カ所のマイクロファイナンス機関を一緒に訪れました。私利私欲が全くない悟りを開いたような人もいました。今どうなっているのでしょう。へこたれずに、再起してもらいたいです。





マニラの最後は、アジア開発銀行(ADB)の気候変動部や農業部のオフィサーの方たちに、気候変動のちょっとしたセミナーをして来ました。関心の最終目的地は投資であること、あらざる得ないことが国連機関よりは、目的をより特化した機関であると言えます。僕はそんな所が好きです。



気候変動の適応策は、対策ですので費用です。だから、各国はお金を払いたがりません。汚染者負担原則に基づけば、気候変動によって被害を受けた国は、賠償金をもらって、その使い方に指しずをうける必要はありません。交通事故にあって、被害者が賠償金をギャンブルに使ってしまっても、何か文句を受けることがないことを同じです。

これが正しいかどうか議論は続きますが、先進国がこの条件ではお金を払いたがらないのもわかります。何か気候変動の適応策が投資のインセンティブにつながれば、結果として途上国にお金がよりスムーズに流れると思います。現実主義者の僕はそれでも良いのではないかと思っています。

2013年11月14日木曜日

フィリピンでの気候変動脆弱性評価トレーニング ~「即興の評価」と「Hのポエム」~



ドゥマゲッティで気候変動の脆弱性評価のトレーニングをして来ました。ここは学生街です。特に1901年に開校したシリマン大学は世界各国から留学生や交換留学生が来る素晴らしい大学です。そこでトレーニングをおこないました。


まず、どんなことを学びたいか書いてもらったところを、「脆弱性評価の行う事を学びたいです(Learn to conduct vulnerability assessment)」と書いてくれたじゃありませんか。俄然、やる気が出てきました。先週のロンボク島でも、私の行った脆弱性評価のトレーニングが一番評価が高かったので、少し天狗になってしまいそうです。気持ちを引き締めましょう。




現地出身で年齢不問の同僚のアルバートは素晴らしいをファシリテーションを行ってくれました。ストックホルム環境研究所は本当に国際的だと思います。今のところ、日本人は僕だけです。バリ島に住んでいるのも僕だけです。


パワーポイントを使った講義は最小限にして、マニラ・ペーパと呼ばれる大きな紙を使って、一緒に実例を使って即興の脆弱性評価を行いました。これだけでは正確性にかけると思いますが、プロセスを始める取っ掛かりには良いと思います。気候変動はどんなに待っても、不確定要素はあまり減少しないでしょう。特に途上国ではそれは、顕著だと思います。それよりは、出来る事を始めるのが良いと思います。

それは、現在の脆弱性から考えてみるとか、ひとつの問題から初めて見るなどです。何度も言っていますが、災害と脆弱は違います。ですので、気象災害予測が無くても、脆弱性を調べる事は可能です。これを何度もしつこく言って、わかってもらうようにしました。





ロンボク島から一緒のイケメンで年齢不問のベンも、当然一緒です。また、当分逢えませんね。


最後に円陣組んで、ひとりずつ学んだことを述べて、糸玉を対角線上の人に渡します。その経路が、蜘蛛の巣のように絡みついていきます。見えないはずの人と人の繋がりがヴィジュアル化されて行きます。今回も高評価で、良かったです。評価はやはり緊張します。




地元のヒーローのアルバートは学生にインタビューされていました。



夕食後に、コース終了の証書を渡しました。




現地のサポートも最高でした。


それから、学生街だからかアート作品を見る機会がありました。このブログエントリーの最初の写真は全て、「H」の形で構図が出来ています。そして、それは、今回の「台風被害」の募金にも使われるようです。



何故、「H」の構図を使うかのかは、下記のポエムから来ています。

H is HELPING, HOPE, and  HAPPY
H is HI or HELLO
It could be HEAVEN
and even a HALO

H is for HILARIOUS, HUMBLE, and HEALTH
It could be in a HOLE or on a HILL
H is a HALL, a HOUSE, and a

HOME


文学は翻訳すると元の響きがなくなってしまいます。特に、Hの頭文字を使ったこのポエムを訳す意味はないかもしれませんが、簡潔に訳すとこんなかんじでしょうか。


Hは、手助け(HELPING)、希望(HOPE)、幸せさHAPPY()。
Hはハイ!(HI)やこんにちは(HELLO)。
それは天国(HEAVEN)であり、
後光(HALO)にもなりえます。

Hは陽気(HILARIOUS)、謙虚(HUMBLE)、そして健康(HEALTH)のためにあります。
それは、穴(HOLE )の中や丘(HILL)の上にあるかもしれません。
Hは、みんなの廊下(HALL)、家(HOUSE)、そして

家族の居る我が家(HOME)です。


英語のHouseとHomeの違いをうまく訳せたかな?


それから、今日はマニラに移動しました。ホテルの近くで、犬がお腹を道路につけて昼寝をして、その隣で子どもたちが勉強をしていました。暑いのに関心です。


そして、僕はその近所の床屋で散髪しました。250円ぐらいです。ジャカルタで髪を切ると400円ぐらいなので、マニラの方が安いのかな。

明日は、アジア開発銀行で、脆弱性評価の講義・セミナーを行います。
それでは!


2013年11月11日月曜日

フィリピン台風の被害から気候変動を考える~今後の台風、現在の対応、開発としての対応、そして「損失と被害(Loss and Damage)」~



スウェーデンの仕事で、フィリピンに気候変動・脆弱性のトレーニングで来ているのだが、その直前に今年最大で、もしかしたら上陸した最大の台風がフィリピンに直撃してしまった。被害の詳細は分からないが、1万人をこす死者が出ているかもしれない。東日本大震災の死者数と行方不明者数の合計が2万人ぐらいである事を考えると被害の規模がわかる。

明日話す事になるだろう「気候変動と台風の被害」についてまとめてみたい。まず、IPCCが出した極端現象に関するスペシャルレポート(SREX)には、地球温暖化によって台風の数が増えることについて「明確な証拠は出ていない」としています。

今回な、気候変動の脆弱性に関する議論です。ご興味のない方もいると思いますが、重要ですのでよろしくお願い致します。


この見解の元になったであろうレポートが世界気象機関から出ています。



このレポートでは複数のデータを使って、嵐の発生状況のトレンドを出しています。統計的に「10年でひとつ減る」トレンドを出しているのは1つのデータだけですが、全体に減少方向にあるように見えます。しかし、日本で台風とカテゴリされる最大風速が34ktのカテゴリ4と、国際的に台風とされる最大風速が64kt以上のカテゴリ5だけに限定すると、増えてきている可能性があります。しかし、これもデータによって違っています。


しかし、さらに詳しく見てみると興味深いことがわかります。南シナ海で発生する台風の数は減少方向ですが、フィリピン海での発生は増える可能性があります。そして、それに伴い、台風の進路も日本海又は太平洋に向かうものが増えてきます。



まとめると、地球温暖化によって勢力が強い台風が増える可能性があります。そして、それはフィリピンから日本と韓国に向かって進んでくる可能性が高まってきました。しかし、この見解には不確定要素が沢山詰まっています。つまり、はっきりしないということです。


こんな状況で、将来の台風への対策はどのようにしたら良いでしょうか。全ての対策は、人や金銭の資源の分配です。ですから、不確定な気候変動による台風に、資源を集中することはあまり良くないと思います。それでも、下記の二点に関しては確実に対応することが出来ます。

1)現在の脆弱性に対応する。

気象現象が大きく変わると今に固着する事は危険ですが、フィリピンなどでは今回の災害を含めて、現在も台風に関して脆弱であると言えます。同じ台風が日本に上陸した場合も、1万人の被害が出たでしょうか。私はそうは思いません。

なぜ同じ災害にあっても、ある地域は影響をうけやすいかを調べることは出来ます。そして、それに関して対応することが出来ます。例えば、今回は高潮の影響が大きかったそうです。月並みですが、避難を出来るような高台の避難所や、より多くの地域に避難を勧告できるラジオなどの仕組みをつけることで、次の台風に対応できるかもしれません。

2)現在の開発ニーズと合わせた対応をする。

気候変動の適応策には「開発へのメインストリーム化」が話されています。そして、適応の進め方を災害への対応を捉えるのではなく、開発の一環として考える議論もあります。

この場合、適応策を現在の開発ニーズに合わせてすすめることも考えられます。例えば、気候変動に関係なく、教育に対する開発ニーズがあるとします。この時、気候変動もしくは気象災害も同時に教育することにより、開発へのメインストリーム化が達成されます。もしくは、台風の発生に関係なく、道路整備のニーズが有るとします。道路を整備することにより、台風が来た場合により素早く、避難出来るようになると考えられます。

教育に関しても、道路整備に関しても、重要な事は、「台風の気候変動がなかったとしても、もともとニーズが有ったもので無駄にはならない」ということです。

おまけ:「損失と被害(Loss and Damage)」の対応

ちょっと蛇足ですが、その他、最近では、適応策でカバーできない「損失と被害(Loss and Damage)」にどのように対応するかも議論され始めています。今回のケースも、フィリピンの現状からの変化を考慮して、適応策だけでは対応できない気がします。その対応とは、気候保険や災害ボンドになると思います。これは、以前は適応策の枠組みで議論されてきましたが、「損失と被害(Loss and Damage)」へのツールとして考えられてきていると思います。この辺は今ポーランドで議論されるのではないでしょうか。気象の保険は個人的にはすごく興味を持っています。

過去にこんなことも書いています。

2012年10月24日
チョット前に、「天候インデックス保険はアフリカの貧困農家に有効か、気候変動の適応策として有効か」、質問を受けたので、その事を記載しておこう。元の英語と自分で行った和訳を載せておきますね。 天候インデックス保険は、数理モデル ...
2009年10月02日
このニューヨークタイムスの記事はエチオピアのマイクロインシュランス(保険)を扱ったもので、僕も少なからず関わったものだ。この保険は年間約5ドルで来年の種を保障する。保険は気候モデルに連動しているおり、周辺で干ばつが何かの ...
2009年11月21日
その村人にどの様な保険が必要かといった調査が以前行われた。調査対象となった村人によると、一番の問題点は農作物は食料である。その為、一番必要とされた保険はやはり、農業関係の保険であった。健康などへ関しての保険のニーズ ...

今回は専門的な話になってしまいました。わからないことがありましたら、ご連絡頂いて構いません。

2013年11月10日日曜日

フィリピン・シキホール島に行ってきた。~「童心に戻る旅」と「気候変動・脆弱性に使ってきたフィリピンの例」~


時間が有ったので、シキホール島に行ってきました。この島の人たちは、魔術を信じている人たちが多いそうです。例えば、生きている石と死んでいる石があり、生きている石は山を登るそうです。純朴ですね。後から、気付いたのですが、前から気になっていた日本人が経営するヴィラがあり、ここを尋ねるべきでした。このヴィラは奥さんが企画しているヴィラの経営方針と似ている気がします。

話を戻すと、朝一番にフェリーを利用して、ドゥマゲッティからシキホール島に向かいます。300円ぐらいです。



海から見た、ドゥマゲッティ。


船は、香川県からやってきた「わかしお」号です。日本で引退して、グローバル化したフィリピンでローカルに活躍してくれています。


上部に座っていた乗客は数人しかおらず、ベンは船員が使う手作りのバーベルで体力づくりをしていました。酔いそうです。それから、今回はベンの写真を何枚か使わせてもらっています。

島についたら、トライシクル 三輪車バイクタクシーに乗ります。島をぐるっと回っても、2000円しません。

色とりどりです。

こんなラスタカラーに乗りたかったです。

僕らのトライクルは真っ黒の「Black 1357」号になりました。





まずは巨大な木を訪れ、足のセラピーです。管理の為に、少しに募金をいたしましょう。巨大な木は樹齢500年ぐらいで、威圧感を出しています。オックスフォードの教会のようです。時間が積み重なって作られる歴史には重さがあるのでしょう。重みを受け止めました。





それから、シキホール島のカンブガハイ滝に行きました。



 童心にもどってクリフジャンプをしました。でも、こんな事は良くしている気がしますので、いつも童心なのかもしれません。

手前に写っているロープでスウィングジャンプも面白いです。でも、一番面白かったので、滝の裏に行くことです。滝は裏から見るのが一番神聖で美しいです。ご試しあれ。




帰り道に、ココ グローブ ビーチ リゾートで昼食とシュノーケリングをしました。


今日は楽しかったです。

午後は同僚のAlbertに、ストックホルム環境研究所に復帰後初の再会しました。かれはこの近くのボホール島の出身です。彼の村は、先の台風からの被害がなかったそうですが、電気がないそうです。昨晩はここも停電が多発しましたが、同じように台風からの影響のようです。

まだ、正確には被害の状況はわかっていませんが、できるだけ被害が少ないことを祈っています。

いつも、気候変動の脆弱性の話をするときは、フィリピンの下記の例を使っていました。
http://blog.takeshitakama.com/2012/07/blog-post_27.html

”例えば、フィリピンは「雪崩以外の災害は全て存在する」と言われております。そして、日本は「雪崩を含め全ての災害が存在します」。しかし、日本はフィリピンより、天候災害に対して脆弱であるとは言えません。それは、脆弱性とは、災害に対する暴露度(exposure)だけでなく、感度(sensitivity)と適応能力(adaptive capacity)によっても形成されているからです。この日本とフィリピンの比較ですと、日本は災害に対して、高い適応能力を持っているため、フィリピンより、脆弱では無いと言えます。この3つのサブ要素を全て含めた脆弱性は、実際に脆弱であるかシュミレーションを行なう必要があるため「結果による脆弱性」(Outcome vulnerability)と呼ばれています。一方、暴露度を考えず、感度と適応能力だけを見て、「潜在的は脆弱性」(Contextual vulnerability)を調べる方法もあります。「潜在的は脆弱性だけで充分だ」との意見は、天候災害(暴露度)を予測することが難しい為、シュミレーションを重要視していないことから来ています。”

今回は、この例を使う気にはなれませんので、何か考えたいと思います。それでは、明日から僕もトレーニングの仕事です。


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