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2014年1月13日月曜日

映画評:「マーヴェリックス/波に魅せられた男たち [DVD]」 ~「乗るか乗らないか」、「落ちるか落ちないか」、もしくは「生きるか死ぬか」の純粋な二者択一の世界~





20年前の、あのオーストラリアの自転車一周の後に、少し古い英語のサーファー・マガジンを紀伊國屋で買って来て、英語の勉強にテキストにしていた。その時、このバカでかいマーベリックスの波からワイプアウトする写真を見た。もしかした、まだこの雑誌は自転車日記が収まっていた書棚にまだあるかも知れない。



「ジェイのように生きろ(Live like Jay)」もカリフォルニアでサーファーの合言葉になっているとも、聞いたことがある。


しかし、それがこの映画「マーヴェリックス/波に魅せられた男たち(原題: Chasing Mavericks)」のジェイ・モリアリティであるとは、映画の最後の30分まで気付かなかった。





  マーヴェリックス/波に魅せられた男たち [DVD]


この映画はカリフォルニアに実際に存在するマーベリックスという大波がまだ一部のサーファーにしか知られていなかった時代に、高校生のジェイがその波に挑戦するスポ根映画であり、家族愛や友情をおりからめた青春ストーリーでもある。

奥さんも「うるっと涙ぐんでしまった」っと言っていたので、サーフィンしない人でも、甘酸っぱい青春スポーツ映画として楽しめるはずだ。しかし、僕は自分の経験と重ねて、心臓バクバクの純粋なサーフィン映画として引き込まれた。

普通のサーフィンは波の上をキャンパスとして弧を描くスポーツであるが、映画でジェイの師匠のフロスティが云うのように、大波のサーフィンはサバイバルを突き詰めるライフスタイルだと思う。大波に乗る時には、「乗るか乗らないか」、「落ちるか落ちないか」、もしくは「生きるか死ぬか」の純粋な二者択一の世界だ。

僕はマーベリックスの様な波には乗ったことは無いが、ビッグウェーブ(大波)サーフィンはどのレベルのサーファーでも語れることだ。初心者には、1フィート(30cm)の波でもビッグウェーブで、「生きるか死ぬか」の二者択一でサーフィンをしている。もう少しうまくなれば、波の上で曲がることが出来るようになるが、身長より大きい波になると、とにかく乗って、落ちないように、低く、速く波と対峙するすることになる。



これが昨年私が乗って写真に残っている一番大きい波だ。



この時の事は良く覚えている。この時は、二者択一の思いだけで雑念は全く無い。私はこの感覚がたまらなく好きだ。真の自由とはこの瞬間だと思う。恐怖心で心がいっぱいになり、それを乗り越える為に全力で頭を回し、最善のポジションを決める。後は、腹をくくって全力でスピードを付けて波に乗る。最後に、ビビると絶対に乗れない。これを書いているだけで、冷や汗が滲んてくる。

恐怖心は、必ずそこにあるというか、なくてはならない。


2013年11月21日木曜日

緑のカーペットに囲まれた天然プール、Natural pools surrounded by green carpets ~バトボロン・ビーチの紹介、Introducing Batu Bolong beach ~


これは最近、バリ島のチャングーにあるバトボロン・ビーチにできたOldmansカフェの壁画です。Oldmansはバトボロン・ビーチにあるサーフポイントです。サーファーは場所でなく、波に名前をつけます。よく見ると、沢山のサーファーズ・トークが散りばめられていますね。
"昨日来るべきだったよ。"

"見た目より大きいよ。"

"1分は乗ったね。"

大事なの事は、どれも見栄っ張りの発言で、真実ではないことです。しかし、ぼくらはが毎日言っていますね。

とにかく、僕の一番大好きなバトボロン・ビーチです。



This is a wall painting of Oldmans cafe recently opened on Batu Bolong Beach in Canggu Bali. Oldmans is a surf point in the Batu Bolong Beach. Rather than a place, surfers name a wave. If you look closely, there are a lot of surfers' talks in the painting.

"You should have been  here yesterday."

"It's bigger than it looks."

"That one minute ride."

The point is they are all saying vain and not true. , However, it is what we are saying everyday.

In all, this is Batu Bolong Beach, my favorite beach. . 




今日は、波も天気も良くなかったです。雨季が来ていますね。僕は水に入れればそれで満足するので、ここでは1年で360日はサーフィン出来ると信じています。だから、僕が、海に入らないということは、誰ひとり海に入っていませんでした。

だけど、干潮時の岩の形成は素晴らしく、ロックプールも良いので、それに触れるだけでハッピーになれます。


Today, waves and weather was not good. I guess rainy season is coming. As long as I get into the water, I'm satisfied, so I believe we can surf here 360 days in one year. Usually, if I do not enter the sea, noone is in the sea.

But rock formation and rook pools are amazing, so I can be happy to just touch them.




今日の写真ではないですが、最高の状況だと、緑のカーペットに囲まれた天然プールが出現します。


These are not the pictures of today.  In the best situation, natural pools surrounded by green carpets emerge..





家の長男もサーフィンの後に温泉気分です。


My eldest son was also in a hot-spring-mood after surfing.



これは今日の写真ではありませんので、実際には、長男はヴィラ・ビジネス用のプールで遊んでいました。

These are not today's photos, so he was playing in the pool of our Villa for business in the reality.



それから、家にはコットン・ツリーがあるので、こんなオーガニック・コットンが芝生に落ちていました。今日も平和です。


Then, there is a cotton tree in my villa, this organic cotton fell onto the lawn. It is peaceful again today.







2013年11月8日金曜日

バリに24時間帰省~「Benはお客さん第一号」で「Deusはワルガキの店」~



昨日の深夜にバリ島に帰ってきました。しかし、今夜また飛行機に乗ってフィリピン行きです。ですので、睡眠時間を削って、朝一でサーフィンに行ってきました。


かなり、小波でしたが、快晴で清々しく楽しめました。海から見る朝日はいいものです。


朝日を浴びてサーフィンをするのは、正しい一日の始まりなのでしょう。バリで買ったサーフボードをラスタカラーに塗って使っています。


ロンボク島から、一緒にいる同僚のベンに奥さんが開業準備をしているヴィラに泊まってもらいました。お客さん第一号です。外で食べる朝食と、100年物の木造建築の施された彫刻に感激していました。でもでも、まだまだ、準備が必要ですね。

バリコーヒーを一緒に飲んでいるのは現地人化した僕です。僕はSkype会議が有ったので、行けませんでしたが、ベンは僕の友人運転手に連れられて、タナロット寺院に行ってきました。



せっかくだから、お昼は近所のDeusで一緒に。ここは悪ガキが大好きなものが揃っています。こんなカスタムバイクにシングルフィンのサーフィンを積んでどっかに行ってみたいです。中古ボード主義の僕でも財布の紐が・・・以下省略。


建物も芸術の寺です。頭のいい子を育てるには、屋根の高い家に住まわせろと聞いたことがありますが、これならダビンチが生まれそうです。



ぼくは、チキンバーガーと砂糖抜きのアイスティーを頼みました。要はジャワティーです。インドネシアでは、「エスティタワー」と言って注文してください。しかし、そこはインドネシア、たまに甘いアイスティーが出てきます。

奥さんは、鴨をトルティーヤでくるんだものを注文しました。400円ぐらいです。



さて、フィリピンに行ってきます。







2013年11月5日火曜日

新しい朝です。~「中空ボードもビンスさん」と、「気候変動適応策の情報サイト」~

新しい立場での、新しい朝が始まりました。


バリ島に帰ってきたのだが、すぐに午後からロンボク島に行かなくてはならないので、朝一でサーフィンに行ってきた。木造中空サーフボードのヴィンスさんがいらした。普段は、半世紀前のクラッチが無いジープに乗ってやってくるのだが、今日はスクーターでした。憧れちゃうスタイルを徹底しています。僕も変わった経歴ですが、ヴィンスも変わっています。彼がOKと言ったら、紹介しようかな。



明るくみえますが、午前5時半ぐらいです。リーフはむき出しのビーチはこんな感じでした。朝は、自分が焦っているので、あまり良い写真が取れませんね。


ヴィンスさんは「さー、俺達のオフィスに行こう」と行って、海に入って行きました。ヴィンスさんには、サーフボードのテストの名目ですが、僕にとっては、環境問題を感じる時間としておきましょう。



そして、ロンボク島にやってきました。スウェーデンの仕事で、このweADAPTのトレーニングが目的です。



weADAPTは、気候変動の適応策の総合情報サイトで、僕は7年ぐらい前のオリジナル開発メンバーの一人です。weADAPTの名前は今だに気に入っています。これは、ストックホルムと同じぐらい好きな南ア・ケープタウンのとあるリゾート地で決まりました。魚に足が生えた絵も、シュールで気持ち悪く僕好みでした。

元々は、Wikiのサイトでしたが、もう少し見栄えが良くなっています。でも、テキストが多いとは思います。今は公式にはバージョン4で、地図で適応策関連のプロジェクトを見せるのが良いですね。

例えば、僕が今いるロンボク島には、気候変動が沿岸に与える影響を評価するプロジェクトがあり、アイコンをクリックするとその説明が出てきます。





悪く無いですね。今日はこんな所で!


2013年11月3日日曜日

バリに戻ってきました。JICA専門家の感想と反省 ~壁は超えれば壁で無くなる~

今更ですが、等々終わった。



今朝バリに戻ってきましたが、今までの立場ではありません。10月18日にJICAの専門家業務を終わらせました。それから、すぐに飛び回っていたので、なかなか実感がわきませんでしたが、何を言ってよいのかわからないほど、色々な思い出がある3年間になりました。日本のきちんとした団体で働いたのは初めてだったので、なれないことが多々あり、色々とご迷惑をかけたと思いますが、JICA専門家をしてすごく良かったと思っています。


JICAという組織は気になっていて、日本の団体で働いてみたいと思い、それを実際経験できたことが一番良かったです。また機会があったら、もう一度似たようなプロジェクトで専門家をしてみたいなと思っています。

関わったプロジェクトは、能力強化プロジェクトで、政策サポートプロジェクトでした。研究畑の私には、知識を政策に結びつけることが一番苦労した部分であり、一番勉強になった部分でもありました。JICAが行っている活動に比べると、それまでの仕事での政府との関わり方は甘いものでした。今後の、仕事に役立てていけたらと思っています。

ステークホルダー会議を何度か行いました。







実際に農村部に言って、現状を見るのも良かったです。コンサルタントの方やインターンの方を連れて行って、現状を見てもらのも良い経験になったことでしょう。


そして、色々とありましたが、現地政府の人たちと良い関係を築けたことが一番の思い出かもしれません。最後は、みんなで夕食をして、色々と話しをしました。相手政府の長には非常に感謝をされましたし、今後も何らかの形で一緒に仕事をしたいと思っています。それから、主要メンバーが出世したのは心から嬉しく思います。







私は、ストックホルム環境研究所に席を戻すものの、自由にやっていけるような仕組みにしました。不安はありますが、それもまた長い人生の一環かと思っています。プロジェクトの元上司からは、「人生には仕事の波があるから気楽に」と昔言っていたのが、ある意味今の励みですかね。今はもう少しバリに住んでいる事にしました。純粋な研究プロジェクトもしますが、それ以外に学びたいことがあります。



始まりがあれば、終わりもあるのですが、終わりそうにないものを終わらせてしまいました。色々と壁がありました。超えられた物をありましたし、うまく超えられない物もありました。先日書いたけど、新しい境域に行くことは自分の「快適ゾーン」の外に出ることです。それを少しづつ広げれば良いのだと思います。そうしていると壁を超えられます。

今回バリを去る直前に、大きなうねりが入りました。バリに39年住んでいるピート曰く、「過去4年で一番大きいうねり」だったそうです。つまり、僕がバリに来てから、最大のうねりでした。ボンビーズと言う大波スポットがあります。最初はこんな所で、波乗り出来るようになると思えませんでしたが、いまは焦らずに乗れるようになりました。


http://indosurflife.com/surfreports/batu-bolong/

最初は、友人に連れて行ってもらった。少しづつ、自分の快適ゾーンを超えてパドルして行く。そして、最後は何も考えずに突っ込んで行く。最後はやはりガッツです。準備は入念に。失敗を恐れない。もう少しリスクを取ってみる。そして、全てを楽しんじゃう。そしたら、今まで無理だったと思っていた壁を超えられます。壁は超えてしまえば障害ではなくなります。




JICAのプロジェクトでも、沢山の壁を超えられました。超えられなかった壁もその内越えていきます。そして、それを楽しんじゃおうを思っています。

当分はまだ、バリにいます。これからもよろしく!
高間

2013年11月2日土曜日

抱井さんのK-shapeに行ってきました。~使い捨てじゃない30年物のサーフボードとインドネシア、アチェ~


日本の全ての予定を終わらせて、一つ楽しみにしていた事は、抱井さんに会いに行くことだった。時間が出来たのと、通り道だったので寄らしてもらう事にした。

僕が壱岐に滞在した時に、抱井さんが雑誌の取材で壱岐にこられて、知り合いになる事ができました。サーフィンの長嶋茂雄といったところでしょうか。生きるレジェンドです。もう何度もお会いできないと思いますが、お会いすると緊張で早くその場を離れたくなってしまいます。

今日も天気が良かったのと、僕はいつも荷物が少ないので、荷物をコロコロと引きながら、抱井さんの工場まで歩いて行ってきた。





 ここが抱井さんの工場の入り口。僕にはオーラが見えます。え~見えるでしょう。


サーフボードの修理をする準備をされていました。


このサーフボードは、80年台のサーフボードで表面の樹脂が剥離してしまったので、修理をされるそうです。ものすごく速いそうです。

「サーフボードって30年も持つんですね」って聞いたら、「いや持たないから、修理している」っていっておられました。その通りですね。

しかし、パタゴニアが批判しているように、近年の「半年 or 1トリップ・使い捨てサーフボード」より長持ちしているのは確かです。スポーツとしての究極のサーフィンを目指すのも良いので、それが悪いわけではありませんが、30年間修理しつつ使うのも味がありますね。


参考:何て散らかり方なんだ:プラスチックによる公害の前に存在していた世界を思い出そう - パタゴニアのブログ「クリーネストライン」
by ジェリー・ロペス
http://www.thecleanestline.jp/2012/01/what-a-mess-remembering-a-world-before-plastic-pollution.html
ここにも、ヤスノリ・カカイとして、抱井さんも移っていますね。 



昨日書いたそんなライフスタイルなサーフィンの為の究極のサーフボードって、前出のVinceさんのサーフボードなのでしょうか。もちろん、抱井さんのK-shapeのボードも長く使われているボードだと思います。僕もイメージが湧いたらいつか欲しいです。(実は、僕はいつも中古ボードばかりです)。




この板もすごい古いボードで、サーフボードのの裏が平らでなく、球面になっています。それにより、水面に張り付きすぎるそうです。それでも、修理して乗られる予定のようです。アスリート系のスポーツではない、サーフィンはそういう事なのでしょう。




抱井さんにどこに行きたいですかと話をしたところ、インドネシアの西の端のアチェがすごく良かったと言っていました。



日本の冬が、アチェのベストシーズンらしく、サーファーも車も全然ないそうです。道は、スマトラ地震・津波以降にアメリカによって作られたそうです。

抱井さんはお酒を飲まれない方で、イスラエル圏のどんちゃん騒ぎがないことが気に入っているようでした。ジャカルタまで来ると、イスラエル圏でもどんちゃん騒ぎしますが、アチェはもっとイスラム色が強いのでしょう。

僕が初めてのインドネシアに来た時は、20年前でした。その時は、ニアス島ではロスマンでご飯を食べれば、宿はタダでした。電気も水道も無く、日が沈んだら寝る生活は良かったです。インドネシアは探せばまだそんな所が残っているんでしょうね。

日本の冬は、僕が住んでいるバリの西側ではオンショアになるため、サーフィンにはオフシーズンになります。だから、今度の冬にアチェに行ってみようかな。それとなしに、抱井さんに「同行させてください」と頼んでおきましたが、あまり押しすぎてもダメですよねっと。



2013年11月1日金曜日

OPRF 海洋政策研究財団 人と海洋の共生をめざして|ニューズレター|314号|サーフィンを通して環境問題を体験することの大切さ



ちょっと前だけど、OPRF 海洋政策研究財団に僕のサーフィンと環境研究の記事が乗ったので、ブログに再投稿しておこう。




サーフィンを通して環境問題を体験することの大切さ

[KEYWORDS]海岸生活/環境研究/体験学習
ストックホルム環境研究所フェロー◆高間 剛 
環境問題研究者には、実際に環境問題について身を持って体験して、この問題に対する行動を取ることが大事である。その点で、サーフィンは豊かな体験を与えてくれる。サーフィンをしていると、天候や海洋のリズムに合わせて生活をするようになるので、環境の変化に敏感になり、環境問題にも情熱的に取り組むことができる。また、環境問題の研究成果を開発団体、市民団体、現地政府に伝える意味でも、体験することは重要である。

サーファーと環境問題研究者の共通点

サーファーと環境問題研究者たちには、スポーツや仕事をライフスタイルの一部にしているという共通点がある。他にも、活動がライフスタイルになっている事柄はあるだろうが、私は2つの例をこよなく愛しているので、両者の共通点を比較しながら、体験することの大切さ考えてみたいと思う。特に、環境問題研究者にとって、サーフィンを体験することが優れていることを説明しよう。
サーフィンは海辺で楽しむスポーツであると同時に、自然と海と暮らすライフスタイルでもある。プロライセンスを保有しない人も含め、サーフィンを愛好する人たちをサーファーと呼ぶが、サーフィンをスポーツでなく、海岸沿いの生活様式であると考えれば何ら不思議なことではない。そのため、サーファーには海岸保全や、水質問題を深刻に受け止め、環境保護を訴える人たちも多い。
環境問題に関わる人たちも似たところがある。Environmentalistを『新英和中辞典』(研究社)で引くと「1. 環境問題研究家」と「2. 環境保護主義者」と出てくる。「環境問題に関わる」ということは、研究する職業だけでなく、主義を掲げるライフスタイルでもある。
私も海洋や気象を含む環境問題に取り組む研究者をしているが、同時に国際開発機関のプロジェクトにも実務者として関わっているし、過去にはオーストラリアを自転車で一周したり、サーフボードとテントを担いで、インドネシアやニュージーランドをキャンプして周ったこともある。「高間さんの様な研究者は日本にはあまりいませんよ」と言われるが、シンクタンクで環境問題を分析し、別の時は、途上国のNGOや国際機関で直接海洋や環境の問題解決をしたり、活動家となり海岸汚染の抗議活動をするのも望ましいキャリアだと思う。実際に環境問題について身を持って体験して、この問題に対する行動を取ることが大事である。その点で、サーフィンは豊かな体験を与えてくれる。
環境問題に取り組むために、実際に経験することの大切さ

サーファーと環境問題研究者は、環境保護主義を掲げるライフスタイルで繋がっている。サーフィンでも環境問題でも、ライフスタイルに取り入れることはとても大事である。サーフィンをする目的とはなんだろう?大洋からやってくるうねりが、消える瞬間に切り立ち、波になり、それに乗って楽しむことだろう。しかし、海水が汚れていたり、ビーチが消えてしまっては、清々しい気持ちはなくなり楽しめなくなってしまう。無理な海岸整備で、波が消えてしまうことさえある。だから、サーファーは環境問題に敏感になる。
一方、環境問題研究者の目的とはなんだろう? 彼らが科学者の一員であるなら、科学(Science)がラテン語の「知る」から来ていることからわかるように、その答えは「知ること」である。環境問題を見つけ出し、解決策を探ることが彼らの仕事であり目的である。しかし、解決方法、解決策はいくつもあるだろう。その場合、環境問題をライフスタイルの一部として経験しているかどうかで、選択する回答が変わってくる。
例えば、サーフィン等を通して自然環境に接している研究者なら、上述したように環境問題に敏感になり、海岸保護と称してむやみに消波ブロックを設置したり防波堤を作ることは、海流を変え砂浜を消すだけでなく、そこに生息する動植物の生態系まで変えてしまうことを知っている。そのため、なぜ急ぎすぎる開発が問題なのかをより深く理解することができる。
また、私はバリ島在住だが、今年のインドネシアの乾季は、(独)海洋研究開発機構が提供する中期予報を見ると、海面温度が普段より高く、降水量が多いことがわかる※。サーフィンをしていると、天候や海洋のリズムに合わせて生活をするようになるので、実際に海水温度が高いことや、雨の降るタイミングが過去数年とは違っていることがわかる。風も6月の時点で、乾季の東風が吹いていない。実際に経験することで、環境問題を理解するための着目点の発見や、得られた情報の検証をすることができる。
さらに、実際に経験することが、環境問題研究者には根本的に必要である。科学は客観的であるべきと言われるが、環境問題研究は、環境に「良い」か「悪い」かの判断を下す基準を設ける必要があるので、主観的にならざるを得ない。そのため、環境問題に携わる者は、本当に自然環境を人生の一部として取り入れて、その対象に愛を持っているかどうかが問われる。そうでない場合、出てくる回答は環境問題を解決するためのものでなく、急ぎすぎる開発等との帳尻を合わせるための評価レポートになってしまう。昨今、環境問題を扱うことがクールだと思われているからか、ビーチとは無縁の、砂まみれになることも拒む「もやしっ子」環境問題研究者に会うことがある。彼らはコンピュータにしがみつきながら上手にレポートを書くかもしれない。しかし、そうしたレポートは、環境破壊と帳尻を合わす「環境合わすメント」になる危険性がある。

■定期的にビーチのゴミ拾いを行なう壱岐島ローカルサファーたち






続きは、「OPRF 海洋政策研究財団 人と海洋の共生をめざして|ニューズレター|314号|サーフィンを通して環境問題を体験することの大切さ」から、読んでください。

よろしくお願い致します。








2013年1月6日日曜日

サスティナブル(木製・空洞)サーフボードのVINCE SURFBOARDSを見学 ~ライフスタイルのサーフィンにどうですか?~





フランス人で変わったサーフボードを作っているヴィンスさんと知り合いになった。私が環境関連の仕事をしていると知って、何度も「私のサステイナブル(持続可能)なサーフボードの工場に来てください。」とお誘いを受けていたので、子供の社会見学を兼ねて見に行って来ました。




普通のサーフボードは、フォームと言われるポリエステル等の石油を原料とした発砲素材を、ガラス繊維とプラスチック樹脂で包んで作ります。サーフボードの生産量は他の工業製品と比べて少ないので、サーフボードの石油使用量は、社会や環境の大きな問題では無いと思います。しかし、ヴィンスさんは、出来るだけ「サステイナブル(持続可能)なサーフボード」を作りたいとのことで、石油を原料としたフォーム素材は使わないとのことです。

そして、彼はバルサとチークの木材を素材として、船を作るようにサーフボードを作ることにしました。だから、彼のサーフボードは格子で組んであり、中は空洞です。






ほら、ぽっかりと穴が空いていますよね。



ロッカーと言われるサーフボードの反りも、この通り綺麗にできています。このサーフボードの部品を持っているのがヴィンスさんです。この組はバルサ材で出来ているので、ビックリするぐらい軽いです。



わかりにくいですが、下の写真の様に、組んでいるようです。





この様に、木材を組んで作るサーフボードは環境面やサスティナブルでいくつかの利点が考えられます。


  1. 石油製品の消費を減らせる。
  2. 折れにくいので、長持ちする。
  3. 長持ちする木材製品にすることで、二酸化炭素を固体化しておける。
  4. インドネシア国内で素材を生産でき、輸送距離をへらし、地元への仕事ができる。
  5. 廃棄物を肥料などに二次利用できる。


4番の「素材の生産」は、工場の脇でバルサの木の苗が作られていました。大きくなったら別の場所に移して、5年でサーフボードの素材として使用できるようになるそうです。




5番の「廃棄物」ですと、下記の様に、廃材から肥料を作っていました。






その肥料を元に、工場の脇でトマトやパパイヤを作っていました。これらが巡り巡って、チキンになって、それを従業員が家に持って帰って、夕食になったりしているそうです。私も、帰りに幾つかのトマトをパパイヤの鉢植えを貰って来ました。







サーフボード作成の話に戻しましょう。






天然素材を使っているので、クオリティーコントロールが大変のようです。木材のストックを見ると家具工場のようです。ここから、余り重くない木材を使って、サーフボードを生産します。規定より重くなったボードは、出荷されません。





サーフボードが組まれた後は、普通のサーフボードの様に、シェイピング(削り出し)が行われ、サーフボードの形になります。



ヴィンスさんは「最新のシェイピング・マシーンで削っているよ」っと言っていましたが、「最新のシェイピング・マシーン」のはずのインドネシア人は、丁度昼ごはんに出かけていたようです。



その後、ラミネートされ木目が美しいサーフボードが出来上がります。








カイトサーフィン様のサーフボードはウエイクボードの様に、浮力がそれほど要らないので、格子を組んで、空洞を作らないようです。






こんな、サスティナブルなサーフボードをどう思いますか?


パタゴニアの創業者であるイヴォン・シュイナード氏も「社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論」に書いていましたが、サーファーにとって耐久性や環境問題は、サーフボードを購入する時の一般的は重要点ではないでしょう。シェイピングのデザインや軽さ等の方が重要でしょう。私も実はそう思っている方です。

もちろん、ヴィンスさんはデザインやクオリティーには、自信を持っていますので、こんな事を書くのは失礼かもしれません。

しかし、サーフィンをスポーツと考えることから、一歩後ろに下がると、ヴィンスさんの「ちょっと重いけど、環境にやさしいかもしれないサーフボード」を、自然に受け入れることが出来るかもしれません。

老年サーファーのデーブが、最近こんな事を言っていました。

  • サーフィンはただのライフスタイルだったな~。
  • そして、サーフィンはいつからか、スポーツになって、
  • 今では、サーフィンはビジネスだよ。


「ビジネスのサーフィン」も「スポーツのサーフィン」も悪くありません。ただ、一歩下がって自然と戯れるサーフィン文化をライフスタイルと捉えたら、デザインにカリカリする事もないでしょう。



興味がある方は、ここから注文してはいかがでしょうか。

VINCE Wooden Hollow SURFBOARDS


それから、VinceサーフボードのFacebookもあります。





内緒ですが、ロングボードやフィッシュボードが欲しいです。

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