2009年12月8日火曜日

島の風力発電の弊害と可能性

Twitterなるものを初めてみたがかなり危険。初めはGoogle Noteの代わりで使ってみることにしたが、はまりそう。

離島の電力の話で意見交換ができたので、少しまとめておく。
初めはこの記事



離島で風力発電を推し進めるといろいろな弊害が出てくる。すなわち、景観と騒音。それから、そもそも、採算がとれるのかと言った話になる。この島でも風力発電50基と言っている人がいるが、それは今の重油発電が赤字だから、しかし、風力にしても採算が取れるのだろうか。赤字なのは、メンテのコストが高いから、それは風力も変わらない。

電力会社は占有が許されているから、今の電気料金で離島に電気を売っているが、本当の自由化になれば、ガソリンの様に値上げするだろう。離島のガソリンはリッターあたり50円ぐらい高い。


しかし、逆に自由化してしまえば、市民の風力発電プロジェクトを立ち上げたり、高くても風力の電気を買うって人も現れる可能性も無くは無いと思う。オックスフォードでは市民でプロジェクトを立ち上げて、大学も再生可能電力しか買わないことにした。学生時代に、カレッジで署名をまとめたので知っている。

こんな事をTwitterで書いていたら、
@northfox_windさんにおしえてくれた:



「離島の発電の多くは重油ディーゼル発電であり、発電コストは時として100円/kW時を越える(家庭用25円前後なので4倍)ので、電力会社は赤字。それ故、離島での風力発電に意義を見いだすことは可能です。ただ、それで住民に騒音被害を出すのであれば、それも本末転倒です」



そして、



「離島での風力発電の採算性は、ある程度取れると思いますが、それ以前に島民の生活を騒音や景観で必要以上に圧迫するのであれば、それは私はオススメできません、もっと他の再生可能エネルギーもあります」



との事。


つまり、重油発電は島によっては発電単価100円/kW時(家庭用電気25円程度)なので、代替エネルギーを模索する事はありえるが、採算性は良くないとの結論。


モット安くできないのだろうか?日本製の風力発電は丈夫過ぎて高い!日本は突風があるので、丈夫に作らなくては成らないが、外国製はそこまで考えていない。しかし、そこまで丈夫に作る必要があるのかとも正直思う。



完全にリスクフリーのものなど無いのだから、安い風力発電ができるのなら、それもありではないかと正直思う。それから、英国でも景観と騒音は言われてきました。騒音はきちんと検証が必要。感情論に成っている場合もあると思う。もちろん、設置場所は考慮しなくてはならない。景観については、古い物好きの英国でも風力の景観を美しいと思う人たちも増えてきた。この辺の採算以外のハードルを越えられたら、近い将来に再生可能なエネルギーで島の電力が作れると思うのですが、どうでしょう。

2009年12月2日水曜日

国際労働機関(ILO)のアフリカのソーシャルエコノミーに関する目標

丁度、一ヶ月まえ程に、南アフリカのジョハネスバーグでアフリカのソーシャルエコノミーに関する国際労働機関(ILO)の会議が行われた。それを踏まえた、ILOのソーシャルエコノミーのフォーラムに参加してきた。そこでもらった、資料を情報の簡単なまとめ:

まず、ソーシャルエコノミー(社会的経済)とは:


「ソーシャルエコノミーとは、経済的社会的目的並びに連帯の促進を追及しつつ、財・サービス・知識を生産するという一定の特徴を有する企業ならび組織を示す概念である。具体的には、協同組合、共済組合、協会、財団ならび社会的企業を示す」



今までにも、多くの基準や目的が掲げられてきたので、それらを認識を一致させる必要性がある。マクロレベルでは、社会的経済の示す、「社会」とは一般に言われる社会だけでなく、社会を取り巻く環境や政治なども含まれる。すなわち、「持続可能性」、「社会正義」、「環境との調和」、「政治安定」などを含めて、発展への補完的道筋を提供する必要性がある。



ミクロ個人レベルで最近よく言われていることは「ディーセント・ワーク(働き甲斐のある人間らしい仕事)」を確保すること。つまり、性問題、貧困問題など、ミクロレベルの改善を実現しながら、食糧危機、HIVの大規模感染、環境への課題なマクロレベルの取り組みにソーシャルエコノミー(社会的経済)がどの様に貢献できるか考えるべきである。




ILOとしては、その為に公的機関にも役割があると考えている。例えば、使用者ならび労働団体との間に入って、関係の構築や発展に関わる。さらに、ソーシャルエコノミー(社会的経済)があることによって、政府が基本的ニーズを提供することを怠る事を妨げる必要性がある。これは、民間主導の環境や災害問題でもある。大規模災害などで、民間の保険の仕組みがどうしてもカバーできない場合は、日本の震災で見られるような公的なサポート必要である。その公的なサポートを、きちんと「大規模は災害やニーズ」と限定しておけば、モラルハザードも起らないだろう。

2009年12月1日火曜日

英文の校正の料金比較

論文校正・英語論文添削・英文校正・英文校閲などなど、いろいろ言い方はあるがいわゆる「Proof reading」の値段を比べてみた。


今は日本から仕事をしているので、簡単に同僚に「これ読んでくれる」とは聞きづらい。それに、友人に聞くのも非常に気を使って聞かなくてはいけないのがいやだ。学生の時は図書館などのプロの校正を頼んだが、いまいち良くなかった。そんなに高くないならと、オンラインの業者を試してみた。


調べてみて、結論から言えば、海外の「大手」の校正会社に頼むのがよし。

Googleから「校正」を検索して一番始めて出てくる(広告で)国内「Editage」と、海外で良さそうとおもった「EditMyEnglish」と「PaperCheck」を比べてみる。



Editage
- http://www.editage.jp/
- 最安値: 6 円 / 単語
- スピード: 750単語/1営業日
- 支払い:クレジットカードか銀行振込



EditMyEnglish
- http://www.editmyenglish.com/
- 最安値: 4ドル / ページ (1ページ=275単語)
- スピード: 48時間
- 支払い:PayPal可能



PaperCheck
- http://www.papercheck.com
- 最安値: 4.95ドル / ページ (1ページ=300単語)
- スピード: 75時間
- 支払い:クレジットカード



安さの比較が分かり辛いので、1ドル=86.36円で計算して、単語あたりの料金を表にすると:



単語 EditMyEnglish PaperCheck Editage
3000 ¥3,769 ¥4,275 ¥18,000
6000 ¥7,537 ¥8,550 ¥36,000
9000 ¥11,306 ¥12,825 ¥54,000
12000 ¥15,074 ¥17,100 ¥72,000
15000 ¥18,843 ¥21,375 ¥90,000
18000 ¥22,611 ¥25,650 ¥108,000
21000 ¥26,380 ¥29,925 ¥126,000
24000 ¥30,149 ¥34,200 ¥144,000
27000 ¥33,917 ¥38,475 ¥162,000
30000 ¥37,686 ¥42,750 ¥180,000



国内の校正業者の値段の高さに驚かされる。海外の業者の4倍以上の料金を請求する。


1万5千単語ぐらいが一番使うと思うが、海外なら2万円前後、国内なら9万円。


「日本語の説明がない業者はダメ」といっている英語が全然分からない上司がいる以外は、海外の業者を使うべきだろう。本人がそんなことを言っていては、英語の校正を頼む以前の問題だろう。

料金以外にも、EditMyEnglishは二日での作業を約束し、PayPalで料金を払える。

試しに、PaperCheckを使ってみて、満足いく内容だったので、今回はEditMyEnglishを使って見ようを思う。



日本の「言語による障害」や「国産のクオリティー」をうたった料金設定はいつまで通用するのだろう。

* 追記

EditMyEnglishを調べてみると、15ページ以上(4千単語ちょい)の文章には割引があるらしい。その場合は、info@EditMyEnglish.com か service@EditMyEnglish.com に連絡する様になっている。



それから、http://www.eibuntensaku.com/という安い国内の校正業者を見つけたが、これはEditMyEnglishに仕事を斡旋して、マージンとして1ページあたり1ドルとるらしい。つまり、料金は25%上乗せである。この場合、「言語による障害」や「国産のクオリティー」はまやかしなので、素直にEditMyEnglishから注文して、安く済ませるべきだろう。

2009年11月27日金曜日

意志決定のオリジン

今日もいろいろな人と会って良いインプットを得た。

意志決定の歴史はそれほど長くない。昔は、一般人は意志決定など行わず、なにかを信じることで物事をこなしていた。たとえば、宗教のドクトリンなどがそうだ。


そのご、意志決定をおこなうようになると、分析方法などが開発された。意志決定ツリーやコスト・べネフィット分析方法などなど。


そうした、分析方法を学とだいたいにおいて、石油の採掘の例題になる。これは、ただの例かと思っていたが、実際に石油採掘の意志決定の意志に関わっていた人にあったが、この方な分析方法をよく使うらしい。石油採掘に関わったことはないが、プロセスはよく知っていた。教科書に書いてあるとおりにぶんせきするみたいだった。

個人的にはかなり、ツボにはまって、おもしろかったが、これをおもしろいと感じる人はいちぶだろうな。

2009年11月26日木曜日

ODAと研究費の事業仕訳

事業仕訳が始まっている。

僕の分野も環境や開発費の削減が、今の焦点になっている。僕は日本の仕事をしていないので、第三者的に見ているので勝手なことが言えるが、当事者には大変だろう。

しかしある意味仕方ない部分もある。日本のODAはあまりにもビジョンが無かった。「ひも付き」、「国益主義」など批判を受けるが、他国のODAは「こうしたい」、「この分野に力をいれる」とした、ビジョンがある。

日本のODAも取り組みの目標を持つが、「頼まれるとやってしまう」性質がある。結果的に「何でも屋のODA」になってしまっていた。さらに、これは「ODAの効果の透明化」の為もあるが、他国のODAと協力してこなかったのも問題だろう。欧州のODAは棲み分けと協力体制が整っている。こうすることにより、ODAの予算を削減しつつ、効果的なODAを増やすことになる。


それから、研究の分野の削減はつらいだろう。大学の先生もサポートを削られ、研究どころではなくなっているといっていた。この分野の削減も仕方ないだろう。


しかし、削減する箇所を先端技術の分野でなく、無駄な研究機関の廃止でどうだろう。国の研究機関は本当に山のようにある。1省の1課に一個あるのではないかと言われている。天下り先にもなっているわけだし、無駄な研究施設は廃止するべきだろう。


しかし、詰まるところすべての研究と研究者を一国の公的資金でまかなうのは限界だ。

僕の研究所も国からの予算は15%以下である。海外の有名どころも、そんな割合と聞いた。日本の研究所はほぼ100%国からの予算でやっているところがほとんどだ。


やはり、海外の競争資金や民間の資金をもっと取って研究を続けることにしないと、これからは日本の研究所も生きていけないだろう。

これは、研究者の問題も同じである。「博士をとったから、仕事与えないといけない」、「仕事が無いから国が給与をだす」この仕組みは完全にグローバルスタンダードをはずれている。博士をとったから研究所にいるひつようもなかろう。

鳩山さんも自身が工学博士なので、そんなことを思って削減したのかな。

2009年11月24日火曜日

気候変動(温暖化)に緩和策に必要な資金の総額は?

僕らの研究所も気候変動に関するファイナンスを書いたが、ハーバード大学のケネディースクールも似たような、ポリシーブリーフを出した。


http://belfercenter.ksg.harvard.edu/files/HPICA_Issue_Brief_2_FINAL.pdf

読んでのまとめと感想と個人的な意見です。



現状の気候変動の緩和策(二酸化炭素の削減)と適応策への金銭的な資金の流れは:


- Clean Devellopment
Mechanism(CDM)から集まった資金は累計64億ドル。そして、二次的なCDMに関する投資まで含めると累計330億ドル。



- 国際機関や二国間のODAが二番目に多きい資金の流れで、一番大きいのはGlobal Environmental Facility
(GEF)もので1991年から総額33億ドル投資している。それにあわせて投入された民間資金は累計144億ドル。



- その他にも、二国間のファンドや、UNFCCCのSpecial Climate Change Fund for financing
capacity-building and adaptation、 the Least Developed Countries
Fund、the Adaptation Fundなどがある。




これを多く見るかどうか?僕は全然少ないと思います。特に、この分で適応策に使われる部分はかなり少量です。




OECDにかかわりの強い国際エネルギー機関 (IEA:International Energy
Agency)によると、気候変動を2050年までに安定化させるには、10兆3千億ドルがOECD以外の国から、7兆3千億ドルがOECDから必要。最悪、27兆ドルが必要ともいわれている。




UNFCCCによると、気候変動の予算は、2030年までに、全世界のGDPの0.3から0.5%に達するといっています。2007年の全世界のGDPは53兆ドルです。
http://www.iti.or.jp/macrostat.htm
GDPの伸び率を考えなくても、平均すると年間2千億ドルのお金が気候変動関連で流れるとしています。これは、円高のいまでさせ、17兆円を超える金額です。



つまり、公的資金でやっていける金額ではありません。



CDMはいろいろ言われますが、それでも民間投資を集めるのには成功しています。それでも、目標値や予測値との差は壮大です。




ハーバードのレポートでは公的資金が呼び水になって、どれだけ、民間資金を集めることができるかが焦点になると書いてあるが、つまり、公的資金も多く必要になってきますよね。9月にロンドンで訪れた、CarbonTrust社経由で公的資金が民間資金を集める呼び水として使われている。よくやっていると思うが、レバレッジは10倍。つまり、1兆7千億円公的資金を入れると、17兆円の民間投資がついてい来る。



だんだん、額が多くなってきていますね。だから、冒頭では現在の投資金額はすくないですよといったのです。




それから、大事なことに、この数字は適応策については全然書かれていません。よく忘れられてしまう数字です。今度はこれについて書いてみます。

2009年11月23日月曜日

プチ自給自足の生活

昨日はアジがたくさんとれたので、夕食は、アジの揚げ物だった。添えた柚子は庭からとったもので、もらったイカの刺身と、これまたもらったお米で食べた。洗い物は井戸水。余った柚子で100%の柚子ジャムを作る。


シンプルな生活を満喫している。懐古主義者ではないので、何でも昔の生活が良いとは思っていないが、こうゆうシンプルな生活は好きだ。

現実には現金が必要なのは分かっているが、このように自分で食物を生産するか、近所から取得することは金銭以外にいろいろと利益がある。


まず、近所付き合いが余りににも無かったイギリスでの生活と比べても、めんどくさいながらも、「もらったり、あげたりする文化」は心が温かくなる。


確か、昨年カナダの研究グループが「自分の為にお金を使うより、他人の為にお金を使った方が満足感が高い」という研究結果を発表した。この島にきてから、これもあながち間違っていないと思う。

それから、健康に関してだが、新鮮は食物を食べることとは栄養価のたかくおいしい物を食べることになる。


イギリスにいたとき、おいしくない物が多かった。(イギリス料理は一般的に言われている理由ではなく、食材としてである。)

イギリス製の物もあるのだが、多くはスペインやアフリカなどの暖かい地方から野菜や果物などを輸入している。南米産のフレッシュなリンゴなんかもよく見る。


遠くから運んでくるので、当然、青いうちから果物を採ってくるか冷凍物の魚介類になる。これではやはりおいしくない。


このような金銭に現れにくい利益はなかなか政策には考慮されにくい。難しいですね。一度、地元の食材を使った生活を経験するとおいしさと、人の暖かさがよくわかるのだけどな。

2009年11月21日土曜日

エチオピアのマイクロインシュランスの「問題点」と「興味深かったこと」


http://www.jointokyo.org/ja/programs/catalogue/social_economy_in_africa_with_ilo/

公開セミナー: アフリカにおけるソーシャルエコノミー(社会的経済) 

2009年11月25日 午後15:00 から18:00 (日本時間)

国際労働機関(ILO) 駐日事務所と世界銀行東京開発ラーニングセンター(TDLC)は2009年11月25日、アフリカにおけるソーシャルエコノミー(社会的経済)に関する公開セミナーを共催します。東京会場はTDLC、ビデオ接続先はアディスアベバです。ソーシャルエコノミー(社会的経済)は経済的ニーズおよび社会的目的双方の拡充を目指すものです。


セミナーでは、アディスアベバからILOアフリカ総局次長・ユルゲン・シュベットマン氏が、協同組合、マイクロファイナンス、マイクロインシュランスなどアフリカにおける社会的経済の促進及び拡大に向けた取り組み、そして2009年10月に南アフリカで行われた国際会議 “社会的経済: 世界危機に対するアフリカの対応”の成果を報告します。またILOアディスアベバ事務所社会的金融専門家・ジュディス・ヴァン・ドールンが、「アフリカにおけるディーセント・ワーク実現のためのマイクロファイナンス」についてプレゼンテーションを行います。引き続きアフリカ・日本、そしてアジアにおける社会的経済について、アディスアベバと日本の専門家たちによるパネル討論を予定しています。


エチオピアのマイクロインシュランス関係のフォーラムがあるようです。
丁度、エチオピアのマイクロインシュランスの章を書いているので、少しをまとめて見ます。

エチオピアの貧困層を助ける仕組みでマイクロファイナンスは早くから使われてきた。IDDRIといわれる、葬式の資金をプールする仕組みは以前からあったので、途上国だからといって、金融が無かったということはない。正式なマイクロファイナンスのプログラムとして、1994頃からエチオピア政府は貧困層向けに負債を100%カバーする制度を始めたが、これはやはり貧困層が借金を踏み倒す要因になってしまうので、廃止された。その為に、資産をもたいない貧困層は連帯保証制度に頼るしかなく、エチオピアのマイクロファイナンスはグループで借金をする仕組みがほとんどである。マイクロインシュランス(小規模保険)はマイクロファイナンスのインフラや仕組みを通常使われるので、ここがベースとなる。
その村人にどの様な保険が必要かといった調査が以前行われた。調査対象となった村人によると、一番の問題点は農作物は食料である。その為、一番必要とされた保険はやはり、農業関係の保険であった。健康などへ関しての保険のニーズがあるだろうが、十分は食料がないことが健康を害することに繋がっているので、これは当然といえば当然だろう。


今現在、農業の保険の仕組みで一番良いとされているのは、Weather Index based
Insurance。つまり、ある気候のインデックスによってペイオフがされる仕組みである。この仕組みについてはちょろっと以前に書いた。http://d.hatena.ne.jp/euro-envi/20091002
もう少し、詳しく今度書いてみよう。


気候インデックス保険のインデックスを作るには、30年ほどの気候データーが必要とされているが、Oxfamのプロジェクトでは現状は7年ほどのデータしかないようです。さらに、そのデータも信頼性はよくないようです。それでは、ペイオフが実際の損失の連動しない可能性が高いので、ギャンブルになりかねないですよね。


つまり、気候インデックスを使った保険の需要は田舎の農村地で高いのですが、その需要が高いところでは気候インデックスを行う為のデータが不足している。結果として、気候インデックスを使った保険は:

- 需要があるところで行った気候インデックスを使った保険は、データが良くないので成功しない

- データがあり供給しやすいところで行った保険は、パイロットプロジェクトでは成功だが、広範囲では成功するのかあやしい


のどちらかになると思います。


「需要もあって、データもある」状況を作り出す事でOxfamが行ったことで興味深かったのが、コミニュティーに自分で雨量を取らせることです。


子供が使うようなプラスチックの容器で雨量を測定するのですが、それを見たときは「こんなもので大丈夫か?」と心配しましたが、自動計測器との誤差は2.2%でした。ポリシーホルダーと測定者が同じという問題もありますが、コミニティー自身がマイクロインシュランスのプロジェクト・デザインに直接関わることができるのだと学びました。


ここでも、現地の人を「子供」扱いするのではなく、彼らの「能力を信じること」が大事だと思いました。


それでは


http://d.hatena.ne.jp/euro-envi/searchdiary?word=%CA%DD%B8%B1&.submit=%B8%A1%BA%F7&type=detail

「保険」の検索結果 - ヨーロッパから環境事情 (オックスフォードの環境博士の日記)


もちろん、「事前対策」や「事後対策」がだめだといっているわけではない。災害直後には、保険の支払いの計算などしているのでなく、無償の援助が必要だろう。ただ、もっと規模に左右されにくい対策があったらよいと思う。そこで僕は途上国での保険に興味がある。保険のプロジェクトを立ち上げるのに、多くの建物を建設する必要ない。保険の支払いは、メディアや政治に注目されなくても支払われる。

こんなところでも、公民の関連というか、民間(保険)の役割が出てくると思います。それに、無償の援助と違うので、自力でがんばる試みを育てる事になると思います。


http://d.hatena.ne.jp/euro-envi/
ヨーロッパから環境事情 (オックスフォードの環境博士の日記)


保険は気候モデルに連動しているおり、周辺で干ばつが何かの指数で実測されれば、自動的に保険が入る仕組みになっている。これはこれで問題が無いわけではないが、モデルが正確に干ばつを指定できなければ、干ばつの指数が実際の被害と連動していなければ、この保険はギャンブルにしかならない。

2009年11月13日金曜日

環境省の「アセスメント」と「合わすメント」

環境省がいわゆる切れる子の調査を行うそうです。


最近はと言っても、僕が覚えている限りずーと「最近の子供は切れる」と聞きますが、この理由が遺伝や環境の影響があるのではないか考えて、調査してみようとなったらしいです。


多少無断研究のようにも思えるが、すればよいと思う。遺伝は環境の要因で無い結果になっても、環境省は発表してくれるのなら。


過去にも、環境ホルモンが騒がれた事があって、環境省が研究をしました。そのときの結果は、「環境ホルモンはしろ(問題なし)」でした。

多分世の中で言われているような問題は環境ホルモンといわれている化学物質からはないだろうとのことです。

環境省はあまり、天下り先もないので研究が増えた方がよいので、「環境ホルモンは問題がある」とした方が彼らには利益があると思うのだが、そうしなかったのはある意味よいのではないだろうか。

自分に不都合でも、それでも、きちんとその結果が発表する。


ここで言いたいことは、「環境ホルモンが存在するのか」とか、「切れる子が遺伝の問題なのか」と言ったことに正否をではなく、自分の不利になる結果を発表できるかどうかの重要性を言っているのです。


日本ではあまりよいシンクタンクがでない理由は、「自分の不利」になる情報を発表できないからだと思う。


つまり、「アセスメント」をするのではなく、利害にあった「合わすメント」をしてしまう。

今回の「切れる子」の調査でもはっきりと色眼鏡なしに結果を発表してもらいたい物です。

2009年11月12日木曜日

グラミン財団の方針から学ぶ、カリスマ会社の問題点

本職とは別に、日本のNPOに参加しており、その関連でグラミン財団の資料を翻訳した。




一番気になった部分はマイクロファイナンスにに関係なく、会社のマネージメントに関して:

- 「人的資本センターは、MFIsの間でより戦略的な人事管理を助長しようとします。」

- 「例えば、多くのNGO(非政府組織)のように、MFIsは組織のリソースでは手が届かないような結果を達成するために、しばしば人望と社会的ネットワークに優れたカリスマ的指導者によって運営されています。」

- 「都合の悪いことに、しばしばこれらのエグゼキュティブ・ディレクターの強みのため、MFIsは中間管理の能力を向上させることにめったに投資しません。」

- 「そして、リーダーの引退の最初の波が押し寄せてきている今、MFIsの組織の生存能力に疑問が入ってきています。」


実際、こうなんだよね。MFI(マイクロファイナンス機関)やNPO・NGOだけでなく、多くの中小企業がこんな感じ。実際、これはこれで当面は問題では無いのだが、これでは成長に限界があるとおもう。成長に関しては、Appleのスティーブ・ジョブの様に例外もあるかも知れないが、そのカリスマが倒れたときはどうするか、これは、Appleの様な例外も避けて通れない。


とんがって、やれるとこまでやるのも良いが、中小企業から一歩抜け出すのには人脈や統率力は組織化する必要があると思う。ワンマン会社は外から見ている分は面白いが、僕個人としては働きたくないです。

スマップがいつまでも人気があるのはメンバーの全てがスターだからだと思う。ワンマンバンドより、需要が必然的に多くなるだろうし、それ以上にメンバーもスマップとして残っていくことにやりがいを感じると思う。ワンマンバンドでは、「ワンマン」以外の人は参加しても面白くないだろう。おこぼれからの金銭的満足は別ですが。


中間管理能力自然と身に付くものなんでしょうか?

2009年11月7日土曜日

途上国から先進国になって、途上国に戻った、日本

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当面は大型の予算を組み、赤字国債を買い取る仕事をゆうちょ銀行に持たせ、見掛け上は辻褄が合う。しかし、対GDPで累積公的債務が200%にもなるのを目前にして、誰かが国債は本当に大丈夫か?と叫んだ途端に暴落する、という危機が刻一刻と迫っている。長期国債の利回りがジリジリ上がっているのは、その何よりの証拠だし、また他の先進国を見回しても日本のレベルまで国債を乱発しているところはない。普通の国ではいくら国債を出しても、買い手がいないからである。
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大前健一氏のこの記事を見て心底日本は大丈夫かと思う。単純に考えて、今の日本の現状は、「今後返せる見込みも無い人がどんどん借金を積み重ねている」のと同じである。その内借金ができなるなるのが普通であるが、郵政の逆戻りで借金をさせてもらえる仕組みがあれば、今後も借金は増えるだろう。

記事のタイトルが「日本がアルゼンチンになる日の予感がする」であるが、その説明が無いのでここで書く。


開発問題のジョークで「世界には4タイプの国しかない」というものがある。

最初の3タイプとは:

- 先進国
- 途上国
- 途上国から先進国になった、日本


それから、パンチラインが
- 先進国から途上国になった、アルゼンチン

アルゼンチンも借金に借金を重ねて国がつぶれたのである。

日本の現状がこれに近いのであるので、国債で国が潰れれば「先進国から途上国になった、日本」になるだろう。


そうなると、上のジョークののパンチラインが:


「途上国から先進国になって、途上国に戻った、日本」


になるだろう。


やはり、先進国になるのは難しいのかとなってしまう。正直、海外に何年も住んでいたので客観的に日本を見て、日本は全然先進国ではないと思っていた。経済だけ成長したが、制度、民度などはかなり低いと思う。それが経済も沈んでいくので、本当に途上国になるのだろうか。


この話をどんだけ話しても、まともに聞く人は少ない。みんな「まさか日本がね~」というのだが、もうすでにアジアでも「1番」の国ではない。シンガポールやボルネオに一人当たりのGDPでは抜かれているし、中国や韓国にGDPでも抜かれる日がその内来ると試算されている。

2009年11月4日水曜日

最高の一日:いい波にBD3とパタゴニアのサーフボード

今日は本当に波が良かった。昨日も良かったが、今日は無風で程ほど暖かく、この島で一番メジャーなポイントブレークがパワーとサイズとも最高の状態になっ ていた。200Mはゆうに走っていけるだろう。そこそこ込んでいたがそれでも、本土のポイントに比べたらたいしたこともなく、3時間ほどのセッションで何 本波に乗ったのかも覚えていない。

サーフィンはどんだけやっても飽きない。波だけでなく、板が違えば、又楽しさも違う事を、今日は思い知らされた。

普段は乗っている板は、6’2”丈夫な板で薄くは無いが細くて今となってはかなりクラシックなデザインだと思う。今日は前から狙っていた「5フィートのCole BD3」を友人から借りることができた。


BD3の詳細はここ:





「先生BD3乗りますか」と聞かれたので

「も、も、もちろん。お、お、お願いします!」とすぐさま板を交換したもらった。

板を海の中で交換してすぐに思ったことは、「乗れる気がしない!」。それぐらい小さな板だったが、浮力がたくさんあるので、テイクオフの早さにはびっく り。頭を超える波でも問題なく波に乗れる。浮力があるので、この浮力が嫌いな人も多いだろうと思う。後は短さ、思ったよりも前に乗ってパドルしたほうが調 子が良かった。それに、あまり後ろ過ぎると、乗ったときに後ろ足を置くところがなくなってしまってあせる。実際に最初のテイクオフではそうなった。

ドライブ感が無いので、変にちょこまか動いてしまうのに手間取った。前足に重心を乗せてサーフィンをする人には全然向かない板だと思いました。後ろ足に重心を置くことを気にしてサーフィンができるのでその分ではいいと思った。

うまい人はこんな風に何でもありの板ですか:



そうこうしているうちに、別の友人が:

「ちょっとBD3に乗せてください」


と聞くので、彼のぺらぺらのパタゴニアに板に変えてもらった。こちらの板も薄すぎて乗れない気がしたが、ところがどっこい。この板は本当に調子が良い。テ イクオフも問題なし。乗ったら乗ったで、こんなに後ろ足に波の力を感じた板は無かったです。板が吸い付いてくる気がした。すーごく楽しくて、まさに僕には マジックボード! 正直ほしかったです。BD3を交換した友人がBD3にてこずったので、すぐに交換することになってしまって残念!

このパタゴニアのぺらぺら板に乗らなければ、BD3ほしくなっていましたが、普通の良い板と比べたらBD3はやはり少し曲者ですね。

しかし、かといってぺらぺら板と買うかといったら、それもまた難しい。この島をそのうち出て行かなくては行けなく、そうしたらまたそんなにサーフィンもできない状態になると思う。その時、このぺらぺらの板は壊れそうで旅行には向いていないと思う。

サーフボードは奥が深いと思うね。短いからとか、薄いからだけでテイクオフの難しさが決まるわけでもなく、同じような波でも全然波の上での走りが違う。

サーフィンは僕が環境の仕事をしたいと思った原動力の一つなので、今度もバリバリ続けていきたい。まだまだ、飽きることは無いだろう。

2009年10月26日月曜日

主観的な環境学

先日、息子と公園に行き海を眺めていた。この島は海が綺麗なことで有名だが、公園から見える海はコンクリート固められており、錆びた船が見えたりして、決して綺麗とはいえる場所ではない。そのときふと息子が:

「綺麗な海だね」


と、話しかけてきた。
幼い子供の言うことだから、「また適当なことをいって」とおもって、心もなく不意に:

「そうかなー?」


と、言ってしまった。

そしたら、息子が:

「きれいだよ!あの、きらきらする所を見てよ!」


って、言われてしまった。


確かに、きらきら太陽の光が反射している海は綺麗だった。コンクリートで固めれてしまった、海を見て、「そんな海は綺麗ではない」と先入観を持っていたので、きらきらする海を見ても綺麗に見えなかったのだろう。

ある意味、環境学とは主観的な学問である。幼い息子には綺麗な海も偏見をもった僕の目には汚い海に見えてしまう。

これが、別の国で、別の宗教で、開発レベルが違うとお互い相容れない考えを持ってしまう。


有名な話で、あるイギリスの少年が当時のマレーシアのマハティール大統領に「森林を伐採しないでください」と、手紙を書いたら、大統領は「それなら、自分の国を森に変えて、動物や鳥をかえばいい」と手紙で返事をしました。

自分がすてきなことだと思っていることが他人にはそうでもない事よくある。お互いに何が大事かをできる限り科学的に折り合いをつける。それがむりなら、お互いに他人の意見をよく聞き、自分の意見を一方的に押しつけたりしない。現実の環境問題とはこうやって主観的に対応していくしかないだろう。

2009年10月23日金曜日

シャボン玉石鹸

イギリスにいた頃は水が硬くて肌がバキバキ常にしていた。息子も水があわなかったのかひどい皮膚炎に悩まされていた。日本に一時的に帰ってくることになったとき、一つ期待したことが、水が変わって皮膚炎が直ることだった。
結果、子供皮膚炎はよくなったのだが、日本の軟水のおかげではないと思う。日本でもいくつもの病院をまわったが、地元のある皮膚科の先生に、イギリスでもらっていた薬の説明をしたときにいわれたことは:
「こんな薬を塗って、逆に悪くなりませんでしたか?」
「エーーー??☆☆」

お医者さんも科学者なので、完璧な答えは無理なのは分かるが、悪くなるような治療だったとは、数年間の悩みは何だったのだろう・・・。
残念でならなかった。
その皮膚科のお医者さんに処方してもらった薬を飲んで塗っていたら、本当に2週間ほどでひどかった皮膚がまともにみれるぐらいまでに回復した。子供皮膚炎が急速に回復に向かったことが日本に帰ってきて一番よかったことだ。
ここでようやく本題が出てくるのだが、そのお医者さんに薬と同時に勧められたのが、「シャボン玉石鹸」である。イギリスで水が硬く長いこと石鹸入りではない、いわゆるソープ・フリーといわれるボディー・ソープで体を洗っていた。そのため、石鹸は悪いものだと思っていた。その皮膚科の先生いわく、「体を洗う物はよけいな物が入っていない方がいいに決まっている」そうです。




私も子供と一緒にシャボン玉石鹸をつかいはじめたが、昔使っていた石鹸に比べて、これといって突っ張る感がしない。自分の肌も調子もすこぶるいい。「シャボン玉石鹸」は目から鱗が落ちた感じでした。
少し調べてみたら、シャボン玉石鹸は99.9%天然素材の石鹸でできており、肌によいだけでなく、環境にもよい。
余計な物が入っていないので、排水溝に流れた後は1日以内に水と二酸化炭素に分解されるそうです。確かに、固形石鹸は使いづらいが、ポンプ式の泡タイプの物もあるので試しに使ってみてはいかがでしょう。
ちょっとの手間で、あなたの体にも環境にもよいことができますよ。

2009年10月22日木曜日

浜辺の注射針

さきほどニュースで福岡の浜辺で注射針が落ちていると話が出ていたが、この島はもっとすごい。

注射針が一本、二本どころではなく箱で浜に打ち上げられている。そのほか得体がしれないポリタンクなどがきている。

毎年、この辺りではは漂着物調査をおこなっているが、多くの漂着物が、対馬海流と北西の季節風のせいで、この辺りは韓国からゴミがやってくる。

韓国はゴミの海中投棄を禁止しているロンドン条約にサインしているので本来海中投棄はしてはいけないはずだ。しかし、守られていない。
国際条約には拘束力がないのでうまく機能しない。

2012年には韓国も海中投棄を止めるといってはいるが、どうなることだろう。

日本も海中投棄を近年まで行っていたので、そのごみが太平洋の島に流れ着いたりしている。海はつながっているし、海に投げ出したゴミが自然に帰るまでにはとてつもない長い時間が掛かる。浜に捨てたタバコのフィルターが、自然に戻るには500年の時間が掛かるといわれている。注射針になると一体どれぐらいの時間が掛かるのだろう。考えてみてくれ!

2009年10月21日水曜日

国家戦略室の削減はたかがしれていいる!

国家戦略室が予算の削減を始めておりますが、まだまだ削減しなくてはいけないようですね。日本の国家予算は95兆円しかし、税収は40兆円もない。残りは借金になる。

ヨーロッパの国と比べると大きく異なる。英国の予算も70兆円あるが、税収でそのほとんどをまかなっている。

ニュースちょっと国家戦略室の活動をみた。大変だとは思うが、もう少し頑張った方がよい。

今まで官僚に予算編成を任せっきりだったところに政治家が判断を下すところを入れたところは、評価したい。結果、国家戦略室の担当分は各省庁で10%の予算の削減が見込まれるようであるが、今のままではこれ以上の削減が難しいように思うが。

削減を頼んだ各省庁の回答が「コピーの削減」や、「タクシーの削減」。

マスコミでもよく取り上げられる「コピー」や「タクシー」だが、実際こんなところを削減してもたかがしれている。もっと減らさなくていけないところが多くあるはずだ。だって、毎年50兆円近い借金をするのだから、タクシー代で解決する話ではない。本当に削減しなくてはいけないのは数億円の無駄なプロジェクトや助成政策のはず。

この島でも、おなじことがいえる。最近、役場の人と話す機会があったが、そこである大規模なプロジェクトの話になった。シンクタンクに頼んで出た経済効果は100億円!

そのアセスメントの手法をきくと、まさしく「合わすメント」。個人の落とす金が想像を絶するぐらいたかい。

これではこのプロジェクトも失敗するだろう。失敗しても責任者が出てこないのが公共事業の恐ろしさ。まだまだ借金は増えるのだろう・・・。

黄砂を見て思い出した「一人一人の心の持ち方」の事

昨日は黄砂がすごかった。太陽が直視できるほどの黄色く曇っていたが、雲ではなかったのですね。

はるか内モンゴルから飛んでくるのだが、こんな秋にくるのは30何年ふりらしい。今年は内モンゴルも水が少なかったそうだ。

僕も数年前に内モンゴルに気候変動の適応策に関するプロジェクトでいったことが、砂漠化は大きな懸念材料だ。

調査のけっかで、モンゴル人と中華系の住民では砂漠化に対する責任の持ち方が大きくちがうようだ。

国境をまたぐぐらいの大きな環境問題だが、最終的には個人の心の持ち方が大事だっ思ったことを黄砂まみれの海に浮かびながらおもったね。

2009年10月15日木曜日

炭素税の導入

http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=1015&f=business_1015_023.shtml

EUで炭素税が始まりそうです。キャップ&トレードでは40%のEUの経済しかカバー出来なかったが、炭素税が残りの60%の経済活動もカバーするのでさらなる二酸化炭素の削減が期待される。

民主党の大幅な削減目標を見ると「乾いた雑巾を絞る」と今までどうりの言い訳をするつもりはなさそうだが、どの様に削減するのかは目処がみえない。

EUの炭素税でカバーされる60%される部分で重要なセクターは消費者セクター。

いままでのキャップ&トレードでは他人ごとだと思っていた一般市民も、今回はもろに二酸化炭素の削減を義務づけられる。

欧州の気候変動への高まりや市民の理解度の高さから、この税の導入が可能なのだろう。日本ではまだそのレベルになっていないだろうって言うか、炭素税を導入できるレベルに市民の理解度が高まるのだろうか?

民主党は炭素税の導入の逆をいくガソリン税の削減をするようだが、その後本当に「地球温暖化対策税(環境税)」でも入れない限り、かなりの逆境になりそうだ。

2009年10月14日水曜日

効率のわるい公共事業

今日島に帰ってきた。民主党が色々と公共事業を中止することにしているが、この島でも同じだろう。かなり、公共事業に頼っている節があるので、公共事業がなくなったら困る人がたくさんでてくる。

役場の人も必死だ。山を切り開くような事業は賛成できないが、個人的にそんなに悪くないと思っている事業もある。しかし、コストは数十億円。身の丈にあっていない事業にはにはまちがいない。

これをなんとか進めようとした話を聞いた。

「○○をすると、200人の雇用が生まれるんですよ。」

これではダッメだろう。

数十億円の費用に対して、200人の雇用では割にあわなすぎ。300万円の年収と考えた場合、二百人で6億円。その民間の施設の建設費は市からの援助で簡単にチャラとかんがえる。

運良く200人の雇用が10年続いたと仮定しても、60億円。


つまり、公的な投資の対して民間の投資は1:1かそれ以下。そして、その公共事業の予算の半分は島がだす。昨年の支出を考えた場合、その内70−80%は借金である。実際には、その公共事業は道路建設とは違って、他にも色々と島に利益があるのだから、そこをきちんと試算して売り込むべきだろう。雇用をうりにしても、今のビジネスモデルでは、民主党の賛成は得られないとおもう。


丁度、イオンがカーボンラベルをおこなうというニュースを聞いた。ロンドンでインタビューしたClimateCareもセミ公共事業として同じ事をしている。ClimateCareの投資を公共事業と考えた場合、公共と民間の投資のわりあいが1:10である。これぐらいの話をしないと成功とはいえないだろう。もっと、気候変動ビジネスに乗ればいいのに・・・。

2009年10月12日月曜日

Simple life

今日はイギリスにおいてあった荷物の整理に一日費やした。いつもどこかに引っ越す事を頭にいれているので、荷物は少ない方だがそれでも、やはり荷物はどんどん増えていく。

自分の持ち物を整理していて一番多いのがやはり、衣服。昔から「衣食住」というぐらいなのでどうしても多くなる。家具はほとんど持っていないし、キッチン用品はあまり持ち運ばない。衣服は多いといっても、思い切って排除することはできた。

職業柄、本などの書物も多いがこれはがんばって電子化している。将来的にはアマゾンのキンドルを購入して本も学術書も全て電子化するよてい。

捨てられないし、寄付もできないくてたまってしまったものが、写真のアルバムとおもちゃ。個人的には写真を印刷する必要はもう無いと思うが、過去の遺産をデジタル化するのはめんどくさいので、それは排除できそうにない。

僕のおもちゃはサーフボード、スノーボード、スケートボード、ウクレレ、キャンプ用品など少々かさばる物が多い。このおもちゃも排除しがたいし、電子化は絶対不可能。

引越しのたびに思うのだが、シンプルな生活にあこがれる。必要最小限の物をもって好きなところにふらっとあらわれる。荷物の整頓にその助けになる。整頓する機会がないと、おもいきって排除しないものおおい。物を持っていることに普段費用が掛かっているとは感じないが、実際は物の保管コストや輸送コストが掛かっている。これはマーケティングを見れば分かるようにライフサイクルでは全体費用の中で実は非常に大きな部分を占める。物が無いことがどれだけしあわせか引越しのたびにおおもう。


もう一つ、整理していると楽しいことがある。昔の写真、手紙、書類が出てきて、ふと目を通す。あの頃は「あんなんだったなー」と人間関係や仕事や勉強で初心に戻ることができる。仏教では物だけでなく、感情にも執着するべきでなないような事を学ぶが、ここはまだできそうもない。


関係ないが、自衛隊の飛行機の練習を見たが、すごかった。写真の星型の飛行機雲は始めてみた。




2009年10月8日木曜日

キンドルは環境にも貢献するのか

電子読書端末といわれる部類で一番人気のAmazonキンドルがもうすぐ日本を含めて各国で発売されるようですね。ちょこっとしらべると:

- 大型版のDXは来年発売
- 日本でも通信費は掛からない
- 通信はローミングでおこなわれる模様

せっせと普段から、紙切れと書類を電子化しているので、買うならA4も何とか読めるDXですね。

環境の分野から見ても、キンドルの資源の無駄を省くことになるだろうか。単純に考えてキンドルがあれば、紙の印刷がなくなるので、インクと紙の消費がなくなる。それから、電子的に60秒でどこにでも送ってしまうので、輸送のためのエネルギー資源の消費が削減される。いいこと尽くめに見える。

ライフサイクルで見たらどうだろう。本は木できているが、加工されて紙になっているので、その加工過程の有害物質やその加工エネルギーも削減される。これくらべてに、キンドルの生産による環境負荷は低いだろうか。きっとキンドル本体の寿命は3-4年の様な気がする。


そして、いったい何冊の本をその期間にみんな買うだろうか?


もし、30冊ていどなら、キンドルを買った方が、環境負荷が大きいかもしれない。別にアマゾンはそこのところはあまり売りにしていないので、とやかく言うつもりは無いですが、書いてみました。

個人的には、手持ちのPDF化した書類の閲覧にほしいと思っているので、環境的に利益は僕には無いですね。

2009年10月4日日曜日

[書評]わくわくする数学 日常生活の中に見つける美と驚きの世界

わくわくする数学 日常生活の中に見つける美と驚きの世界
ロブ・イースタウェイ
ソフトバンククリエイティブ
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この本は数学の「美しさ」を分からしてくれる。数学の端くれを仕事で使うので、数学は「美しさ」は分かっているつもりだったが、この本を読むと本当に「なんて不思議な世界なんだろう!」とその美しさに感嘆する。
なかなか、実務的な数学のトリックも書いてある。例えば、大きな二乗の計算は数字を掛け算しやすい形にすることで、簡単に暗算計算できる。例えば、98の二乗は、100
X 96 + 2^2 になる。つまり、9600+4=9604である。これは、数をずらすとずらした数の二乗を足すことで、元の二乗の問題に解答になるからである。
つまり、何をいいたいかというと、「学校で習った二乗の計算方法以外にも、色々と計算する方法がある」ということだ。このような分析方法を探すことが、数学の本来の面白さであって賢さだとおもう。もちろん、基礎の復習も大事だが、発想を豊かにするほうが数段たのしい。
発想が豊かのほうが、楽しい人生を送れるよ。

2009年10月2日金曜日

エチオピアのマイクロインシュランスに見るギャンブル性



このニューヨークタイムスの記事はエチオピアのマイクロインシュランス(保険)を扱ったもので、僕も少なからず関わったものだ。この保険は年間約5ドルで来年の種を保障する。保険は気候モデルに連動しているおり、周辺で干ばつが何かの指数で実測されれば、自動的に保険が入る仕組みになっている。これはこれで問題が無いわけではないが、モデルが正確に干ばつを指定できなければ、干ばつの指数が実際の被害と連動していなければ、この保険はギャンブルにしかならない。

マイクロ保険の可能性は高いと思う。しかし、以上の事を冷静に考える必要がある。一般の記事を読むとこの事を書いているものがあまりにも無さ過ぎる。

2009年9月24日木曜日

住みたいアフリカの国

欧州の後に、今回もアフリカの国をまわった。タンザニア、モザンビーク、南ア。この中でダントツに金持ちなのが南ア。僕が移住して一番裕福に暮らせるのも南ア。

だけど、あまり住むのは乗り気ではないな。白人の搾取感がすご過ぎる。南アの中間層は日本の金持ちの生活をしている。

まだ、タンザニアやモザンビークのほうが住んですっきりしそうだ。治安のタンザニアのダルサラームの方が数段よいし。

いまから、飛行機にのってようやく日本に帰る。これまた長旅だ。

英国民間の気候変動ビジネスの動向

1ヶ月ぐらい続いた欧州とアフリカの出張ももうすぐ終わる。移動しているともうだいぶ昔の事に感じてしまうが、3週間前はロンドンにいて、日本の関係者を連れて、気候変動ビジネスをしている会社を二社訪ねていた。

どちらも知り合いがいるので紹介したところだが、どちらも興味深いビジネスをしているところだ。CarbonTrust社は元々は、政府機関だったが、今は国からの委託されて、気候変動ビジネスに投資している機関だ。

そして、彼らが投資した分野に民間機関が更なる投資をする。CarbonTrust社から融資を受けたということで、民間機関も「お墨付きがでた」と安心して投資をする仕組み。今のところ、CarbonTruust社が1投資すると、民間機関は10投資するらしい。



それから、CarbonLabelなる物を作って、そのシンポルを商品に貼り付けることによって、更なる「お墨付き」ビジネスも展開している。いわゆる日本のJISマークを民間機関が気候変動バージョンを作ったのである。民間機関がこの様な事をして、ディファクトスタンダードになることはそれほど珍しいことではない。英国のソイルアソシエーションが作った有機商品マークが有機商品の販売ではディファクトになっている。

日本でも、似たように取り組みがおこなわれており、ある程度他国と協力しておこなっているようだ。違う点は日本は当然のごとく国がイニシアティブを取っておこなっている。変な方向に行って、日本独自の二酸化炭素マークにならない事をねがう。


それから、今は中国とのビジネスに力を入れている。日本では知的財産の漏れが心配で進出を躊躇している節があるが、彼らにとって中国は、「忘れてしまうにはもったいない」大きさの市場だと言っていた。

もちろん、彼らも何も対処していないわけではない。

- 最先端技術は出さない。そこそこ枯れた技術でも中国では有効。
- 中国にも投資させる。同じ船に乗せることにより、技術が漏れることにより、事業がうまくいかなくなるリスクを共有させる。
- 政治的な圧力を掛け、上から条例や罰則などで、技術の漏洩を阻止する。

それでも、英国はリスクテイカーだと思い知らされる。

まとめると、やはり英国の商魂の強さがある。

- 途中半端でも、危なくてもとりあえずはじめる。
- ディファクトスタンダートを取るのがうまい
- 民間主導

2009年9月23日水曜日

南ア北部の村に再来

南ア北部にあるツバチ地区に来ている。ここに来たのは3度目。来るたびに急速に開発が進んでいるのに驚く。ここはレアメタルがたくさん取れる地域の為、鉱業が盛んだ。今現在17の鉱山があり、2012年までにその数は27になるらしい。鉱山のほとんどはプラチナで、他にクロムなどがとれるそうだ。世界的な経済不況も影響したといっていたが、数の増え方を見るとそうは思えない。

以前来たときの問題点として:

- 鉱山と村人の間での水不足の問題
- 政府間のコミニュケーション不足
- 鉱夫からのHIV・AIDSの感染問題

などがあげられたが、多くの部分で改善に向けて努力が進んでいるようだ。


かんけいここに来る前に、同僚の親戚の家に寄ってきたが、プール付きの家の広さに驚く。豊かさとはあれを言うのだと思った。あれが、南アの白人社会では特別金持ちではないところが、南アのすごいところだ。貧富の差が激しすぎて、日本の格差問題がかすんで見えてしまう。


2009年9月20日日曜日

途上国で調査をするときの注意点

自分の経験から:

  • アンケートは文字を読める人が少ないので、調査員が個別に聞いてまわる方式がよい。
  • シンポルや絵に頼るのがよい。
  • 数字は大体みんなに読める。
  • 確率の概念も説明しだいで何とかなる。
  • 調査員のトレーニングは念入りに。
  • 調査員は以外に高い。大学生がよい。プロは本当に高い。
  • 報酬は日当にした方がよい。報酬を調査数ベースにすると、ごまかす人がでる。
  • 調査の前に権力者、村長、民族のチーフ、市長に許可をえる。
  • 約束の時間に遅れるのが当たり前だから怒らないこと。一時間ぐらい平気でおくれる。3時間待ったこともざら
  • 調査員に調査に関わった「証明書」をあげると喜ぶ。彼らの、将来の仕事につながる。
  • 彼らの文化を否定するような行為、発言はしない。例えば一夫多妻制に嫌な顔しない。
  • 一つの質問に10分ぐらい返答があることがある。我慢してまつ。通訳がそれを30秒で返してもそんなもの。
  • 貧しい村ではお腹が減っても持参したお菓子や食べ物をぱくつかない。彼らはもっとお腹が減っている。
  • 村での集団インタビューではお菓子などを振舞うと喜ばれる。
  • 写真を取られることが嫌いな人もいるので気をつける。モザンビークはかなりダメ。南アはウエルカム。
  • 思うどうりに事が進まないことが多いので、フレキシブルに。
  • お酒を飲める人を連れて行くと助かることがある。内モンゴルでは酒豪の同僚に助けられた。
  • 米ドルが大体通じるが、現地通貨をある程度持っておくこと。クレジットカードがほぼない国もざら。僕は大体米ドル、ユーロ、ポンドはもっている。
  • 夜の調査は現地の調査員でも嫌がる人が多い。
  • 通訳が要ると良い。英語が話せる通訳はたいてい探せる。アフリカでは日本語は役立たず。
  • コンピューター・ウイルスはほとんどのPCにいると思っていたほうがよいので、調査表を印刷するために気軽にUSBメモリーなどを回さない。LinuxやMacだと安心。僕はLinuxとWindowsのDualブート。
  • 予防接種や薬などは準備。最低限、黄熱病のA型肝炎と予防接種とマラリアの予防薬や準備。マラリアはマラロンが良し。日本は未だにラリアムが一般的みたいだが、副作用が強く、効かないマラリアもいる。
  • 準備はしても、病気になることはあるので覚悟。インドネシアで足が像のように腫れ、南アフリカでも現地のダニ熱に犯された事。
  • できれば、アフリカの飛行機は避けた方がよい。安全度が劣る。

とりあえず、ざっと気づいて点を書いてみた。


2009年9月19日土曜日

寄付された靴の行方と開発の「押し付け」

確か、日本を離れる数週間前にQちゃんが靴をアフリカの子供達に寄付する内容のTVを見た気がする。そんな事を今朝モザンビークのマプトを歩いていて思った。

世話をしているモザンビークの修士生に連れられて街を歩いていた。

彼が「靴がほしい?」 「ヨーロッパから来ているいい靴があるよ」といって指したところには、道端に靴を広げているブラックマーケットがあった。海外から寄付された靴は貧困に回らずに売られている。何人もが同じような事をしている。

本来行くところに物が回らないのが、途上国である。

しかし、それほど問題だとは思わない。ブラックマーケットをしている人たちも、裕福層には見えない。貧困層も寄付された靴を売ってしまうらしい。靴よりももっと必要な物を自分の判断で買うのだろうか。

開発関係の仕事をしていて、「何の為の開発なのか」と思うことがある。靴を送るの悪くはないし、靴の作り方をおしえるのも良いと思う。ただ、「意味無く」結果を「押し付け」ているのは問題だと思う。全てはお金のためなのか?

そこで、「環境」や「持続可能」などの理念が入ると「押し付け」に「意味がある」様になるのではないかと最近思う。

少し、まともなはなし。



関係ないが、その後排気ガスが充満している小型船に乗せられて湾を越えたが、あれは堪えた。未だに気分が悪い。


2009年9月18日金曜日

モザンビーク:マプト

アフリカをいろいろと回ったが、思えば英語があまり通じない国に来たのは初めてだ。モザンビークはポルトガルの植民地であったため、英語はあまり話されない。その為、調査や投機も他の国より進んでいないと現地の人がいっていた。その真偽の程は定かではないが、思ったよりも開発されているように思う。

ポルトガルの植民地の政策は、イギリスなどと違い「直接的」にポルトガルが住むために進められた。その為インプラなどはかなり進んでいる。インドネシアなどでも似たようなことが見られる。

ここでも中国の進出が進んでいるらしい。モザンビークないで「ミニ中国」を作る計画があったらしいが、政府が土地を売らなかったそうだ。しかし、そのうち何らかの手を借りて入り込んでくるだろう。


15年前海外を歩いていると、「日本人か?」と聞かれたが、最近は「中国人か?」と間違いなく聞かれる。世界進出度や注目度では、日本は完全に中国に抜かれてしまったと思う。そういえば、2週間前に日本の関係者を連れて英国のCarbonTrustをたずねた時も、関係者は「大事な契約ができたので、中国に飛ばなくはならなくなった。ごめんなさい」とドタキャンされてしまった。そうゆう時代なんだと思うけど、少しさびしい。


2009年9月17日木曜日

タンザニア、ダルサラーム

今、タンザニア出て、モザンビークに向かっている。僕の研究所はタンザニアにオフィスがあるので、関わりは強いのだが、今回初めて訪れた。

他のアフリカの国と同じように、陽気な国柄のようである。車の渋滞はものすごく、滞在中は一日最低4時間は車の中で過ごすことになった。日本と同じ右側が運転席になるために、ほとんどの車が日本からの輸入車である。ものすごい数の車が輸入されているが、道路の数がそれほど無いためにこれほどひどい渋滞になるのだろう。一番人気は、車高の高さと安さでトヨタのRAV4。もちろん、トヨタのランクルもアフリカのどこででも人気は絶大だ。特に、日本のディーゼル規制でディーゼルのランクルが今は手ごろな値段で入ってくるようだ。


外国人の物価は思いの他高い。タンザニアオフィスに住んでいる同僚の家は月3500ドル。東京並みに値段ではないだろうか。外国人は、家を建てることはできないので、安全な地域の住宅は常に不足しているらしい。反対に、需要はすごいので、結果的に高くなってしまうそうだ。


日曜日に半日休暇をとって、ダルサラームから20分くらいの離島に行ってきた。船が沖に行くと、波が出てくるのがわかったが、サーフボードがないのでサーフィンはあきらめていたが、島に着くとぼろぼろのレンタルサーフボード発見。ワックスもリーシュコードもないボードだったがないよりましだ。すぐに借りて波を探してみた。船が着いたところが、北の先端で、外海に当たる、東側の方向にパドルすると、うねりが回り込んで、沖合いにある、岩からグーフィーの波がブレイクしていた。余り期待はしてなかったが、思ったよりはロングライドできる波だった。多分、名前もついていないポイントだろう。

ダルサラームは渋滞が緩和されて、外国人向けの住宅の供給が安定したら、アフリカの中でもかなり住んで見たい都市である。







2009年9月11日金曜日

ロンドンで気候変動の会議

ロンドンで気候変動の会議(かなり内輪)に出席。離島に住んでいるとこの様な会議に出ることが難しいのが残念。今回もいろいろ学ぶことが多かった。

+気候変動と移民の問題
+「気候変動への適応策」の定義の問題
+技術移転

この3つが一番面白かったかな。「気候変動への適応策」の定義がはっきりしていないことは、ODAとの線引きやODAへのメインストリーミング化を難しくしている。「よいODA」と「よい適応策」の違いは何かを聞かれて、明確に答えられる人はいないだろう。

技術移転の失敗はある。例えば、運河をジグザクに地元民が作っていたのに、宣教師が「まっすぐに作れ」と指導した結果、土地の栄養分は全て流れてしまった。

さて、ロンドンを昨日飛び立って、たった今南アに到着。JICAのオフィスで今お世話になっている。

2009年7月20日月曜日

エキスパートに意見を聞く方法

Risk Analysis: A Quantitative Guide
David Vose
Wiley
売り上げランキング: 204341


昔、良く参考にした本ですが、今回仕事でもう一度みなおしてみた。最近はあまり、Excelでのスプレッドシートモデルはしないが、第10章の「エキスパートからモデルインプットを探り出す方法」はいつ読んでも役に立つ。

一度、まとめてみる。「エキスパートからインプットを探り出す」事が失敗する原因は:

  • エキスパートではない、エキスパートに意見を聞いてしまった。
  • 企業文化などで、やけにポジティブは意見を言ってしまった。
  • エキスパートの都合の良い意見を言ってしまった。
  • 極端なシナリオを考慮しなかった
  • 無理に【正しい」意見を言おうとしてしまった。
  • KGやリットルなどの単位を間違えてしまった。
  • エキスパートが忙しすぎて、きちんと答えなかった。
  • エキスパートだから、不確定な事を言わなかった。

特に一番最後の項目が問題である。エキスパートは何でも知っているので、「これだ!」と絶対的な事を言わなくてはいけないと思っている。何度もこのブログや昔のブログで言っているが、不確定要素は無くなら無いものがある。不確定要素は「XXXぐらいから、YYYぐらいの間です」いった様に表現できるのだから、そのふり幅と分布をエキスパートとして説明できることが求められている。

そして、エキスパートだから、そんなあいまいな事を言ってはいけないと分布がいけないことはエキスパートとして失格である。

そのため、適切な分布を調べるためには、複数のエキスパートとブレインストームをするとか、自分の意見を訂正する機会を与える必要がある。

著者のVose氏はブレインストームをするときの順序を注意点を以下のようにまとめている。

【順序】
  • 事前に情報を集めて、配布しておく。
  • 不確実なことについて議論する事を進める。
  • チェアマンとして、ブレインストームを構成する。
  • ブレインストームをするときに、きちんとメモをとり後に配布する。

【注意点】
  • それぞれの、エキスパートに問題点に関して考える時間を与える。
  • ブレインストームの後に、個々の意見を述べる事を推奨する。
  • 静かな参加者を特にサポートする。
  • 意見の違いは簡単に見つけ出せるので、その点にも注目する。

何度やっても完璧には行きませんが、肝に銘じます。

2009年7月16日木曜日

自助努力

自分の息子を何度か保育園に通わせていたが、今回のかなり苦労した。島の子供達と遊ばせようと思ったのだが、島は共働きが多く、公園ではほとんど子供を見ない。それなら、島の保育園に通わせようとおもったわけだが、今回は珍しく保育園になれなかった。

初めは言い聞かせて、説得させて連れて行っていたが、ある時、保育園の先生に:

「お父さん、自分の息子を信じて、つれてきてください。いつまでもかわいそうだと思っていてはいけません!」


これで、はっと気づいた。途上国の開発での地方問題でも同じだが、相手をかわいそうと思い。おだててやっても限界がある。相手が「できる」と信じて多少つらくても投げ出した方がよい。

こうするしかない!

こうしなければ、おいてかれるだけ、助けはない!

と思わせる。

「先生、ごもっともです」と規則正しく、時間にそわなければ、無理やりに連れておいてくるつもりで、保育園に連れて行ったが、数日で問題なく慣れてしまったようだ。

「信じてやる」といった精神的はことも非常に大事である。

2009年7月6日月曜日

温室効果ガス観測の誤差

今日は欧州と日本の気候変動の研究者の集まりに欧州側として参加している。

一番興味深かったのは、日本が打ち上げた温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)の発表。今年の初めの打ち上げられてから、どうなんだろうと思っていた。

この衛星が画期的なのは、二酸化炭素の濃度を宇宙から観測できる点にある。今まで、局地的にしか二酸化炭素の濃度を確認できなかったが、「いぶき」からは全世界の二酸化炭素を計測できる。三日に一度同じ箇所を見て回るようだ。




上の図で、赤くなっている部分が二酸化炭素の濃度が高い所です。


なになに、確かに北半球の先進国で赤いですね。それから、サハラ砂漠で・・・・・。


えー!


そうなんですよ、サハラ砂漠に工場ができていてって事があるわけ無いので、これは誤差です。多分のサハラ砂漠の砂煙のよって、計測に使う赤外線の計測がおかしくなっている予想だそうです。

やはり、不確実性は残りますね。

2009年7月5日日曜日


島の友人に借りて、最近の寝ながら読んでいた本。

椎名誠氏が日本の海をたずねる話だが、パターンがある:

  • 無計画
  • 旅番組の様に、無理にはしゃがず、ネガティブな部分もあり
  • 海産物に固着
  • ラーメン
  • 夕食をホテルで食べず、腹をすかせることに
とにかく、美味しいものを食べる話がたくさんあり、寝る前に読むべきではないなと、反省。


僕が今居る島のことも書いてあるが、ネガティプな部分の丸出し。

確かに、この島は公共工事が多すぎると思う。山を切り崩し、海にテトラポッド。財政を見てみたら、13%ぐらいしか島の税金でやっていっていない。つまり、残りは都会におんぶか、借金である。実は「都会におんぶ」の借金なのだが。

環境負荷だけで無しに、このあたりの「リアル経済負荷」も考えるべきだろう。

今日から、また東京出張。彼らにおんぶに抱っこの地方の財政どうにかならないものか。

2009年7月4日土曜日

気候変動のコスト(費用)とは?

あしたから、また東京に出張で欧州と日本の気候変動のプロジェクトの共同会議に出席する。

僕が説明するのはClimateCostというプロジェクト:




このプロジェクトは統一のシナリオと分析フレームワーク内でトップ・ダウンとボトム・アップから気候変動のコスト(費用)とインパクトを分析するつもりだ。最終的には非集計的なアウトプットを出す予定である。

まずは気候変動のコスト(費用)の定義は以下の様になっている:

  • 気候変動の全体コスト= 緩和策(CO2削減)のコスト - 補助的な利益 + 適応策のコスト + 残った社会的コスト
そして、「残った社会的コスト」とは:

  • 残った社会的コスト = 全体的な社会的コスト (行動を起こさなかったコスト) - 緩和策の利益 - 適応策の利益
まず、気候変動には二酸化炭素の削減(緩和策)だけでなく、気候変動が起こってしまった世界に「適応」するために
コストがあることに気付かなくていけない。それと同時に、気候変動はに「緩和策」を「適応策」によって対応することよって利益も出ることである。それから、補助的な利益 (ancillary benefits)とは二酸化炭素の削減と同時に大気汚染が減る事によって起こる利益。これは短期的な利益であるが、気候変動の研究ではあまり考慮されていない利益である。



これらのコストを算出する方法はいろいろあるだろうが、このプロジェクトでは下から積み上げていくようなアプローチが有効と考えている。そのときにいくつか注意しなくてはいけない事がある:

  • 日本政府も押している「セクター別のアプローチ」であるが、既存のプロジェクトなどは同じシナリオを使っていないものが多く、それではセクター間を比べる事がむずかしい。それから、きちんと何が気候変動のコストで、何が社会経済活動からでたコストなのか分けて考えていないのも問題である。これらの統括したデーターベースは今のところ存在しない。
  • 現在の統合的な分析モデルは、貨幣価値だけでしかアウトプットを出していないが、物理的な単位でインパクトを提示する必要がある。さらに、特に適応策のインパクトはシンプルすぎる傾向がある。特に分析がマクロレベルに振られすぎている。適応策はもっとローカルな問題なので、政策に有効利用しようとした場合ギャップが出てくる。
  • 多くの分析はカタストロフィックな「極端な出来事」のコストを計上していない。
  • 経済的なコストの分析も、まずそれはトータル・コストや平均コストなどである。経済学的に一番重要な限界コストの算出がなされていない。

それから、今までコストが分析されてエリアに注目してみると、このプロジェクトの狙いが定かになる。

     (コストが発生する範囲)
市場 市場以外 社会的に悲惨な事
(気候変動 -------------
 の範囲)
予測できる  | 限定的 限定的 無し 

限定的    | 限定的 限定的 無し

大規模な  | 少数 無し 無し
変化


この表は過去の機構変更のコストが調べられた分布を表している。ほとんどのプロジェクトが市場でのコストしか計測していないし、計測した事柄も、気温の上昇や海面上昇などのある程度予測できる部分に限られている。降雨量やハリケーンなどの予測が「限定的」な部分になると、予測はさらに少なくなる。そして、予測のレベルが、海流の変化などの大幅な物になったばあい、ほとんどコストの分析はされていない。つまり、右下に行けば行くほど、コストの分析は難しくなる。

このプロジェクトで出来るだけ、この空いている予測を埋めるつもりである。そのためには、既存の費用便益分析だけでなく、もっと環境のリスクに配慮した分析方法やもう少しソフトな社会的分析も必要になるだろう。



2009年7月3日金曜日

Surflineの記事:「防波堤が無くなったら、波はどうなるか?サーファーはどれだけやってくるか?」

興味深い記事を見つけた。

英語で非常に長いですが、記事は「もし防波堤に囲まれてしまったカルフォルニアのロングビーチの防波堤が無くなったら、波はどうなるか?サーファーはどれだけやってくるか?」について書いてあります。良く書けていると思います。

キーポイントは:
  • 防波堤によって、波のエネルギーが一方向から来ないために、余計に海岸線が削られている。もし、防波堤が無かったらバランスよく砂が移動するので、長期的に見たらこの方が海岸線が守られる。
  • めちゃくちゃ波がデカイ日は、応急処置で対応するので防波堤は要らない。
  • 隣の波のあるビーチとくらべたら、ロングビーチは人がまばらしかやってこない。
  • 防波堤が出来る以前は、波があったしサーフィンの大会もあった。
  • 波の予想サイトのモデルとデータを使って、ロングビーチの波のコンディションとサーファーの数をを予想。

その結果、「平均すると年間394,200人サーファーが訪れる事になるだろう」との予測。ほぼ、サーファーゼロから40万人近いサーファーが来る事になる。この経済効果はすごいと思います。経済と別に、「防波堤が無い方が波のエネルギーのバランスがよい」はもう少し調べてみたいところです。このあたり、僕が居る島の「XX浜にテトラがなくしたら、本当に浜がなくなるのか?」に近い話だと思います。それでも、40万人のサーファーはこないだろうけど。


2009年7月2日木曜日

【告知】「カンボジアの児童売春問題解決へ向けて~子ども達の未来を守る~」

それからもうひとつ告知。僕はメールベースの活動ですが、このNGOのスピードと行動力はすごいです。勉強にそれほど興味がなくても、実行委員の人たちと話をしてみると楽しいですよ。


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Living in Peace 主催 勉強会  http://www.living-in-peace.org/

かものはしプロジェクト青木健太氏が語る

「カンボジアの児童売春問題解決へ向けて~子ども達の未来を守る~」

【7/6(月)19:00~20:30@千代田プラットホームスクエア】

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「児童買春問題」

あなたはこの言葉を耳にしたことがありますか?

「10代の子どもが強制的に売春宿で働かされている」

これはカンボジアやタイなどの国で日常的に見られる光景です。

児童買春は、貧困が原因で起こる悲劇です。

中でも、国民の約34%を1日1ドル以下の収入の貧困層が占めるカンボジアでは、

・人身売買のブローカーが、仕事があるように言葉巧みに持ちかけて貧困層の子どもを

売春宿に売りとばす

・日々の暮らしに困った家族が子どもを売る

といったケースが今日も後を絶ちません。

裁判所に訴えても、裁判官が被疑者(ブローカーなど)に買収されているなど、

本来助けてくれるはずのシステムが腐敗しているために真剣に取り扱ってもらえない

という話もよく耳にします。

今回の勉強会は、カンボジアにおける児童買春問題の解決に取り組んでいる

かものはしプロジェクトから青木健太氏をお招きし、活動内容についてご紹介していただきます。

また同時に、貧困層を対象に小額の金融サービスを提供し、自立する機会を提供する

マイクロファイナンスについて、カンボジアへ向けた支援に取り組んでいるLiving in Peace

も交えて、カンボジアにおいて今後求められる支援活動についてのディスカッションも行います。

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■開催概要

◆日時:7月6日(月) 19:00~20:30 (受付:18:30~)

◆会場:千代田プラットホームスクエア 会議室505・506

http://www.yamori.jp/modules/tinyd2/index.php?id=10

◆交通アクセス:

竹橋駅(東西線)3b KKRホテル東京玄関前出口、徒歩2分

神保町駅(三田線、新宿線、半蔵門線)A9出口、徒歩7分

大手町駅(三田線、千代田線、半蔵門線、丸の内線)C2出口、徒歩8分

小川町駅(新宿線、千代田線)B7出口、徒歩8分

JR神田駅西出口、徒歩12分

◆内容:

【オープニング】19:00~19:05

・Living in Peaceからの挨拶

【第一部】19:05~20:00

・かものはしプロジェクトの活動紹介(講師:青木健太氏)

【第二部】20:00~20:30

・カンボジアでの支援活動に関するディスカッション

【懇親会】20:30~21:00 (場所:同会場)

◆参加料:1,000円

◆定員:80名

◆参加申込方法:

氏名(ふりがな)、所属、参加人数、本セミナーを知ったきっかけを明記の上、

以下のメールあて先にてお申込ください。=> lip@securite.jp

※定員に達した場合はお断りさせて頂く場合がございます。あらかじめご了承ください。

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◆青木健太氏プロフィール:

2004年東京大学教養学部中退。

2007年度までは、かものはしプロジェクトのIT事業部を統括。

ECシステムや人事管理システムをプロジェクトマネジャとして開発。

2008年度からは現地製品の日本販売を手がける。かものはしプロジェクト共同代表。

◆かものはしプロジェクト概要:

「強制的な商業的性的搾取を防止する活動を、持続的かつ発展的に行うことにより、

全ての子どもたちが未来への希望を持って生きられる世界を実現させる」ことを目的として

設立された特定非営利活動法人。

①コミュニティファクトリー事業、②PCスクール事業、③IT事業、④サポーター事業、

の4つを事業内容とし、日本事務所とカンボジア事務所にそれぞれ11名のスタッフ

(2007年7月18日現在)、および1,558名のサポーター(正会員128名、

サポーター会員1,430名(2008年11月30日現在)を有する。

URL: http://www.kamonohashi-project.net/

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◆主催:特定非営利活動法人Living in Peace

貧困削減のための活動を行うために設立された特定非営利活動法人

メンバーは20~30代の金融機関・コンサルティング会社勤務者が半分以上を占め、

世界の貧困問題に関する勉強会やフォーラムの開催のほか、

少額の金融サービスを貧困層に提供し、自立する機会を提供するマイクロファイナンス

についての支援を行っている。

URL: http://www.living-in-peace.org/

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【告知】「業界内部から見たマイクロファイナンスの最前線と課題~日本人ができる10のこと~」

「」微力ながら私の参加しているNGOの勉強会の告知があります。


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Living in Peace 主催 勉強会  http://www.living-in-peace.org/

プラネットファイナンス長友留奈氏が語る

「業界内部から見たマイクロファイナンスの最前線と課題~日本人ができる10のこと~」

【7/4(土)14:00~15:30@国立オリンピック記念青少年総合センター】

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マイクロファイナンスとは、途上国の貧困層の事業者に貸付を行う金融サービス。

貧困削減の社会的取組みと収益性の両方を実現するこの取組みが評価され、

バングラデシュのグラミンバンクが2006年にノーベル平和賞を

受賞したことも記憶に新しいと思います。

そして現在では、世界各国に約1万のマイクロファイナンスを実施する機関

(Micro-Finance Institution : MFI)があると言われています。

しかし皆さんは、そのマイクロファイナンス普及のため、

技術支援を中心にMFIへのコンサルティングサービスを提供する

世界的組織「プラネットファイナンス」をご存じでしょうか?

今回、Living in Peace主催の勉強会では、

実際にフィリピンで勤務されている長友留奈氏をスピーカーにお迎えして、

「業界内部から見たマイクロファイナンスの最前線と課題~日本人ができる10のこと~」

と題して、マイクロファイナンスの現状についてお話していただき、

私たち日本人が、マイクロファイナンス支援のために何ができるかについて、

一緒に考えていきたいと思います。

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■開催概要

◆日時:7月4日(土) 14:00~15:30 (受付:13:30~)

◆会場:国立オリンピック記念青少年総合センター センター棟405号室

http://nyc.niye.go.jp/facilities/d6-1.html

◆交通アクセス:

小田急線「参宮橋駅」下車、徒歩約7分

地下鉄千代田線「代々木公園駅」下車(代々木公園方面4番出口)、徒歩約10分

http://nyc.niye.go.jp/facilities/d7.html

◆内容:

【オープニング】14:00~14:05

・Living in Peaceからの挨拶

【第一部】14:05~15:00

・講師:プラネットファイナンス 長友留奈氏

①MFI最新動向

・長友氏が過去に携わられたプロジェクトについて

プラネットファイナンスフィリピンオフィスにて進行中のプロジェクトについて

②MFIが必要としている技術支援

・資金調達などの財政面だけでない様々なニーズについて

(例)マーケティング、商品開発、スタッフトレーニング、保険衛生、識字教育

【第二部】15:00~15:30

「日本人がマイクロファイナンスにできること」について、

長友氏を交えてパネルディスカッション形式にて進行。

Living in Peaceよりフィリピンでの実務研修経験者が複数参加。

【懇親会】15:30~16:00 (場所:同会場)

◆参加料:1,000円

◆定員:80名

◆参加申込方法:

氏名(ふりがな)、所属、参加人数、本セミナーを知ったきっかけを明記の上、

以下のメールあて先にてお申込ください。=> lip@securite.jp

※定員に達した場合はお断りさせて頂く場合がございます。あらかじめご了承ください。

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◆長友留奈氏プロフィール:

国連資本開発基金(UNCDF)のマイクロファイナンス・ディスタンス・ラーニング・

プログラム翻訳プロジェクトメンバーの一人。

プラネットファイナンスジャパンのインターンとしてサモアのマイクロファイナンス機関

South Pacific Business Development (SPBD)にて研修実施後、

マニラに拠点をもつプラネットファイナンスアジアにて

マイクロファイナンスコンサルタントとして勤務開始(2009年3月より)。

オハイオ大学大学院にて、国際開発学修士号、経済学修士号、及び、

女性学サティフィケートを取得。

大学院在籍中にボツワナのマイクロファイナンス機関

Women’s Finance House Botswana (WFHB)でインターンシップを行い、

その際に実施したインパクト調査をもとに修士論文を執筆。

慶應義塾大学経済学部在籍中は、インドネシアにて農村開発における

マイクロファイナンスと協同組合の役割に関する現地調査を実施。

その際、Bank Rakyat Indonesia (BRI) を始めとするマイクロファイナンス機関や、

中小企業協同組合省、農業協同組合、農業訓練施設等を対象としてインタビュー調査を行う。

◆プラネットファイナンス概要:

マイクロファイナンス発展のため、人材育成・IT・資金調達サポートなどの面から

MFIにコンサルティングを行う国際協力団体。

<これまでの実績>

・60カ国、計700マイクロファイナンス機関(顧客数300万人相当)への支援

・1,700人のマイクロファイナンス実施者にトレーニング提供

・209マイクロファイナンス実施機関に対して、オペレーション効率化のためIT機器を導入

・145のマイクロファイナンス実施機関を評価・格付けし、資金調達力を向上

・15,000人に対して、ビジネス起業、拡大のための小規模融資を提供

・債券・株式ファンドにより調達した70億円でマイクロファイナンス実施機関の運用

マイクロファイナンス情報共有やマイクロファイナンス分野推進のために191のWEBサイトを構築

URL: http://www.planetfinance.or.jp/about-us/pf-global-presentation

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◆主催:特定非営利活動法人Living in Peace

貧困削減のための活動を行うために設立された特定非営利活動法人

メンバーは20~30代の金融機関・コンサルティング会社勤務者が半分以上を占め、

世界の貧困問題に関する勉強会やフォーラムの開催のほか、

少額の金融サービスを貧困層に提供し、自立する機会を提供するマイクロファイナンス

についての支援を行っている。

URL: http://www.living-in-peace.org/

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2009年6月28日日曜日

夏用のサーフボード・ワックスを自作

この島にはサーフショップがないので、サーフボードにワックスはネットで買うか、本土に行ったときに買うしかない。そろそろ夏用ワックスが必要になってきたので、どうしようかと思ったが、たかだかワックスごときをネットで買うのもどうかと思い、あまった冬用のワックスを元に自作する事にした。


サーフボードのワックスは、普通の蝋と、粘度きめるパラフィンと、香料を混ぜれば簡単に作れる。今回は冬用ワックスを使うので、普通の蝋を混ぜれば少し硬めに夏用ワックスが出来るのだ。


まずは、サーフボード・ワックスの型となる箱を折り紙で自作。A4サイズの紙を半分に折って、以下のリンクの折り紙箱を作ればちょうど良い大きさになる(少し大きいかな?)。


  • おりがみ箱作り方: "おりがみ箱作り方
    おりがみ箱は、チラシでも新聞でも、両面使ったコピー紙でも、作る事が出来ます。"



後は普通のろうそくとそこらへんに転がっていた冬用ワックスの残りを、空き缶の中で溶かす。











湯銭でじっくり溶かすつもりだったが、めんどくさくなり火にかけた。



まじりっけなしのろうそくのほうが、融点が高いのでなかなか溶けてくれなかった。



完全に溶けたたら、良く混ぜて型に流し込む。流し込む寸前に、豆腐の入っていたケースをリサイクル箱の中に発見。急遽、折り紙の箱の代わりに使用。





これがどんぴしゃに上手くいって、豆腐のような綺麗な夏用ワックスが出来た。



冬用ワックスよりは硬めで上手く行きそう。明日は久しぶりに波がありそうなので、早速テストする。二つあればそこそこもちそう。

今度は、有機ワックスでも作ってみよう。

2009年6月27日土曜日

サンゴ礁と遺跡のフォーラムに行ってきた



今日はこの島でサンゴ礁と遺跡のフォーラムがあったのでいってきた。

サンゴ礁の分布はまだこの島では良くわかっていないので、それを保護するだけでも価値があることだが、参加者にはサンゴをどう増やしたらよいかの話が出た。

技術的にはサンゴ礁を養殖することはすでに可能らしい。つまり、人口リーフを本物のリーフで作ることが可能なわけだ。人口リーフでなく、養殖リーフでしょうか。

頭の中は完璧なリーフブレークをサーフィンしたいともやもやですが、海の森であるサンゴ礁が増えれば水産資源も増える。しかし、この島だとわかめなどの海藻類の収穫に影響がでるかな。

話を戻すと、サンゴ礁のモニタリングは6年前から始まったわけで2007年までは若干増えているようだったが、2007年に白化(コーラル・ブリーチング)がおきて一気に多くのサンゴが死んだらしい。サンゴ礁のコアを採集することで、気候の変化などを調べているようだが、過去40年間このあたりの海の温度は上がっているようだ。もちろんエルニーニョの影響もあるだろうが、温暖かもサンゴの白化につながったのかもしれない。サンゴの白化のメカニズムは定かではないが、一種のストレスだ。

2400年ほど前からこの辺りにサンゴ礁ができるようになったそうだが、土器は6000年前の地層からも出て来る。普通この手の自然環境と人間の影響の話になると自然環境の方が古いのが普通であるが、今回は違うのが面白い。

2009年6月26日金曜日

「迷っていてはいけない事」を統計学的に考える

僕は優柔不断なところあり、同じ事に二度三度意思決定を下す事が多々ある。

しかし、それは統計学的にはよくないことである。

統計学的には「テストの何度もするな!」とは、「けちの原則(parsimony)」である。

統計上には二つのタイプのエラーが存在する:
  1. タイプ1:本当は正しいけど、間違っていると判断する。
  2. タイプ2:本当は間違っているけど、正しいと判断する。
この場合、タイプ1のエラーのほうが問題が多い。例を使うと分かりやすい。例えば癌検診をかんがえた場合:

  1. タイプ1:本当は癌だけど、見逃してしまう事
  2. タイプ2:本当は癌ではないけど、癌だと誤診してしまう事

タイプ1のエラーを犯してしまうと取り返しがつかないことになる。そのため、通常タイプ1を出来るだけ少なくするように判断が下される。そして、タイプ1のエラーのほうが通常少ない。

そこで、もしタイプ1のエラーの起こる確率が5%だとすると、一度で意思決定とおこさないとこの間違いは増えてしまう。二度テストを行うとして、どちらもないエラーの起きない状態は:

95%×95%=92.5%

つまり、一度しかテストしないほうがエラーを起す確立は低いのである。

だから、迷ってないでズパッと意思決定してしまったほうがよいのですっと、自分に言い聞かせる。

2009年6月25日木曜日

完璧な波の形

昨日、なんと無しに読んでしまった本。


微分・積分を楽しむ本(愛蔵版)
今野 紀雄
PHP研究所
売り上げランキング: 158918



2時間あれば読めてします。簡単な数学の本。ふむふむと感心してしまったのが「サイクロイド曲線」。



この曲線は、同じ高さからはじめた場合一番早くある一定の距離を進む。さらに、どこから滑り出しても、ボトムに着くのは同時である。





つまり、サーフィンの波がこの形なら一番スピードが出て、一番長い距離を進むことができる。

サイクロイド曲線上は、もし、水や波の抵抗が無い場合、ボトムまでおりきったスピードでそのままトップまであがることできる。もちろんサーフィンの波は前に進んでいるし、ボードの蹴り込む力も使うのでトップのアクションもスピーディーになる。

Wikipediaに説明によると:

サイクロイド - Wikipedia: "サイクロイド (cycloid) とは、円がある規則にしたがって回転するときの円上の定点が描く軌跡として得られる平面曲線の総称である。"

図で見るとさらに簡単:


この形は、サーフィンだけでなく、スケートボードのハーフパイプ(ランプ)に使ってもよさそう。日本のお寺の屋根も雨を早く流すために、このサイクロイド曲線になっているらしい。


そういえば、昔見た、シェーン・ドリアンが主演のいまいちなサーフィン映画「In God's hands」を見たとき、「ランプは中国建築だ」といったせりふがあったが、こういったことだったのですね。


それにしても、天気が良すぎて波がないね。仕事盛りです。

2009年6月24日水曜日

気候変動のコストは誰がどれだけ払う?

気候変動のコストを先進国が払う事が、ある意味「気候変動の適応策」で大きな部分である。

汚染者負担の原則(PPP)は国際的な環境協定で負担の分担を話しあう一般的な出発である。
これは、環境汚染(気候変動での温室効果ガス排出)のコストが汚染を引き起こした人々によって負担されるべきであると述べており、直観的で論理的である。

すなわち、
「先進諸国は気候変動の根本の原因に対するより大きな責任を持つ、だから、発展途上国に気候変動のコストを払わなければならない」。
である。

この、論理的訴えにもかかわらず、PPPはアプリケーションでは概念上の難問がある:
  • 汚染者は、国か、個人か、過去の世代か、民間ビジネスか?
  • さらにまた、どのように、発展途上国の温室効果ガス排出への増加している貢献をどう捕らえるべきか。

これらの問題を解決しなくてはいけないが、そうそう待ってもいられないので、気候変動のコストを払う枠組みが、マラケッシュで行われたCOP7で決められた:

  • the Least Developed Countries Fund (LDCF): 5千万ドル
  • the Special Climate Change Fund (SCCF): 1億7千2百万ドル
  • the Adaptation Fund: 9千1万ドル
この金額を大きいととるかどうかわかれるところだが、アフリカのあるグループは必要な金額を年間600億ドル以上としている。

今の所ギャップが大きすぎるな。

2009年6月20日土曜日

「間違った認識フレーム」と意識調査

今回の短いストックホルムの滞在も終わってしまった。夏に来る分には楽しい場所だ。前回4月の頭にきたときは、まだ雪が残っていたのでたまらない。

今回、ストックホルムにきた理由のひとつは生徒に行動経済学のひとつである「選択」による経済分析をおしえるため。もともとは、McFaddenが200年のノーベル経済学賞と取った交通分析に使われていた手法だが、今は交通だけでなくマーケティング、医学、環境の分野でも使われている。

メインにおしえたのはこの分析だが、トバレスキーとカーネマンがノーベル経済学賞を取った話もまぜたが、これが結構受けが良かった。

マクファデンの「選択」の話はもちろん、経済学の合理化ができている人間の話で、トバレスキーとカーネマンの話は合理化できていないとどうなのかといった話である。

これは実際にトバレスキーとカーネマンが使った例である。

二つのくじがあるとする。




一つ目のくじ引きで「当り」と「はずれ」を引く確率は以下のとうりである。

「くじ1」
確率カクリツ (白)90%(赤)6%(緑)1%(青)1%(黄色)2%
支払シハラい $0   +$45  +$30   -$15   -$15

もうひとつのくじの「当り」と「はずれ」の確率は以下とする。

「くじ2」
確率カクリツ (白)90%(赤)6%(緑)1%(青)1%(黄色)2%
支払シハラい $0   +$45  +$30   -$10   -$15

どちらのくじを引くほうが良いであろう。

答えは簡単で「くじ2」だ。青玉を引く以外、結果は同じで青玉を引いた場合、二つ目の結果のほうがましである。


それでは、次の場合はどうだろう:

「くじ3」
確率カクリツ (白)90%(赤)6%(緑)1%(黄色)3%
支払シハラい $0   +$45  +$30   -$15

「くじ4」
確率カクリツ (白)90%(赤)7%(緑)1%(黄色)2%
支払シハラい $0   +$45  -$10   -$15

20秒ほどで判断すると・・・・・。



「くじ3」と答える人が多い。実際は「くじ4」である。最悪「-$15」と最高「+$45」な状況は、共におなじである。それでは期待される結果はというと、確率×支払いの合計で、「くじ4」である。

なぜ間違った判断を下すかというと、「くじ4」は損する玉が2種類あることに惑わされるのだ。つまり、「間違った認識フレーム」が合理的な意思決定を妨げる結果になってしまっている。

これはアンケート調査をするときでもおなじである。複雑な様式では「間違った認識フレーム」を作ることになるので、時として正しい意識調査ができない。

個人的にはこのような事に時間を割いて、質の良いデータを得ることのほうがモデル化に時間を割くより大事だと思っている。

2009年6月15日月曜日

サイバーな関係から

昨日は、運営に関わっているNGO:「Living in peace」の雑誌インタビューに参加してきた。

インタビューの最中に気づいたことだが、みんなと代表のつながりはブログなのだ!! みんな、いろいろフォーラムに参加したりとか、友達の友達とかと思ったが実は、サイバー上での知り合いから現実の友人になったのだ。

僕と代表とのかかわりは、共通の友人をワンクッションおいているが、その共通の友人とはブログで知り合っているのだから、ブログが無かったら知り合っていなかったことになる。

昔のブログと書いていた時ややめた後で、仕事で日本の環境の研究所をたずねたときに「ブログを書いていた方ですよね」と聞かれたことが何度がある。

このような人と人のつながりが、うれしいと思う。前回のブログで嫌なことがあったので、もうブログは書かないどこうと思ったが、1ヶ月ほど前に、鎌倉の研究所で「また書いてください」と頼まれたのを口実に再開したが、そういえば、まだ哲学的なことは書いていないな。

2009年6月11日木曜日

経済学から見る、「サーフィンに行きたい」弾力性

昨日は夏場がよくなる場所でサーフィンをしたが、ズバッといく波に乗れてよかったです。ようやく、最近ニュージーランドにいた頃の感覚が戻ってきた気がします。オックスフォードにいた7年は「サーフィン暗黒時代」でした。

やろうと思えば、オックスフォードからでもサーフィンはできたのだが、強烈な博士過程のプレッシャーでおかしくなっていましたから、場所のせいにはしてはいけないですね。

経済学には弾力性のといった考えがある。ウィキペデアによると:

弾力性 - Wikipedia: "経済学において弾力性(だんりょくせい、英語:elasticity)とは、ある変数の変化率ともう1つの変数の変化率の比である。一般に、「AのB弾力性」という言葉があった場合、Bの変化率に対するAの変化率(=Aの変化率/Bの変化率)である。"

つまり、

  • Aを「サーフィンに行きたい情熱」
  • Bを「サーフスポットへの距離」
とする。

ここでAの変化率/Bの変化率は、サーフスポットまでの距離から見た、「サーフィンに行きたい」弾力性である。

もし、オックスフォードにいた頃の「サーフィンに行きたい」が非弾力的でなかったら、僕はどんなにサーフスポットが遠くても、サーフィンに行っていたことだろう。「サーフィンに行きたい」需要曲線の傾きは、サーフスポットへの距離に対して急になる。だから、どれだけ海から遠く住んでいようとも、「サーフィンに行きたい気持ち」あまり減らない。

この、個人的な需要曲線を集めることができたら、サーフィンの価値の需要曲線が見つけられるんだけどね。

2009年6月10日水曜日

サーフィンの金銭的価値の決め方

お金とは物々交換の代わりに、複雑になった人間の活動をスムーズにするための血液であり、経済学とはそのお金を活動の指数として示すことである。つまり、経済学とは、「成金になってやる!」と言うやましい考えではなく、人間活動がどれほど貢献しているかを、他の経済活動と比べてみようと言っているのである。

そこで、ものや行動の価値を決めるのは主観的であり、比較によるものである。例えば、

少しありえない話だが、似たような二つのサーフ・スポットに隣接する駐車場があったとしよう。

1:100メートル乗れるポイント・ブレークの波で、駐車料金は1000円
2:150メートル乗れるポイント・ブレークの波で、駐車料金は2000円



この場合1メートル走れる波の価値はいくらだろう?単純に1000円割る100メートルで「メーターあたり10円」は間違いである。

1と2の差は2が50メートル長く走れて、1000円余分にはらう、つまり「50メートル長く波に乗るために、1000円余分に払う」のである。そこで、1メートルの波の価値は1000円割る50メートルで、20円である。

しかし、価値とは主観なので、もしあるサーファーの「波の価値」がメートルあたり20円以下なら、1のサーフ・ポイントを選んで1の駐車場にとめるべきである。

当然、彼・彼女の「波の価値」がメートルあたり20円以上なら、2の駐車場にとめるべきである。

サーフィンの経済学でした。

2009年6月7日日曜日

海のごみ

昨晩は、島のサーファーと夏に開く子供と海の会を話し合った。ひとつの案は海のごみ拾いを楽しく行うこと。そして、今朝はその続きでいつもお世話になる浜ででごみ拾いをしてきた。

気づいてはいたが、人口のごみが多い。プラスチックごみがほとんどだ。少し古いが2005年に開かれた「海洋ごみ問題シンポジウムinとやま」によると、日本の沿岸に打ち上げられるごみの総重量の67%と総数の78%がプラスチックごみらしい。

そして、このごみの多くが朝鮮半島から流れてきているのは、ごみに書かれているハングル語がしずかにおしてくれている。今僕が住んでいる島に一番近い島は対馬で、統計上は85%のごみが韓国から流れてきていることになっている。

海に打ち上げらたごみはぼろぼろになって、塩分を多く含んでおりリサイクルは困難のようだ。そのため埋めための予算も馬鹿にならない。この予算は地方自治体はふたんしており、この島でも一月2回のごみの清掃が行われているがとても間に合ってはいない。

本来ロンドンダンピング条約を採択した国は海に投棄するべきではない。日本も韓国のこの条約を批准している。しかし、韓国はいまだに海中への投棄を不法としていない。

日本は日本海の西側、特に僕のいるこの島は日本海の南西の端にあるので、ごみが集まりやすい。そのため冬は極上のうねりが入ってくるのだが、そのうねりに乗って大量のごみも韓国から流れてくる。

あまり、ある国を相手だったことは書きたくないが、今日注射針を浜で拾った事が許せずについ書いてしまった。

2009年6月3日水曜日

旅行業界に見るサーフィンと経済発展

サーフィンの経済効果についてここ数日考えては、メールでやり取りしているが、考えれば考えるほど大きなイシューであることに気付かされる。

サーフィンほど旅に密着したスポーツも珍しいだろう。僕も過去にサーフボートとテントをもって海外のサーフスポットを回ったこともある。サーフィンの旅行業界への貢献度は思っているより大きいだろう。

バリなど、サーフスポットがそのままビーチリゾートに変わったようなものだ。発展を遂げた島は良かった事ばかりでなく、渋滞、犯罪、乱開発などの問題もある。電気も水道もない昔のインドネシアのニアス島でサファリをしたことがあるが、今はリゾートホテルがあるそうだ。一回り昔の話なので、想像できないような変貌を遂げているかもしれないが、第二のバリになっていなければよいな。

2009年5月31日日曜日

気候変動の不確実性

ヨーロッパから環境事情 (オックスフォードの環境博士の日記): "それから、起こっているかどうかわからないので、何もしなくても良いわけではないです。不確定性をどの様に解釈するか、どの様に伝えるかなど、考えることをたくさんあります。確かに、気候変動が起こっているかもしれない事を考慮してそれに大きめに対応することを大事でしょうし、その為にはある種のプロパガンダも行われるでしょう。しかし、これは政治家の仕事ですし、「適応策」の話でもありません"


昔のブログで、誤解を招いた「気候変動の不確実性」の話だが、やはり不確実性は消すことはできない。

ScienceDirect - Global Environmental Change : Strategies to adapt to an uncertain climate change: "Second, uncertainty in future climate makes it impossible to directly use the output of a single climate model as an input for infrastructure design, and there are good reasons to think that the needed climate information will not be available soon. Instead of optimizing based on the climate conditions projected by models, therefore, future infrastructure should be made more robust to possible changes in climate conditions. This aim implies that users of climate information must also change their practices and decision-making frameworks, for instance by adapting the uncertainty-management methods they currently apply to exchange rates or R&D outcomes. Five methods are examined:"


このあたりが理解できていないと、長期的な分析は意味はない。

2009年5月29日金曜日

サーフィンと個人主義

オックスフォードでは、大好きなサーフィンがほとんどできなかったので、日本に帰ってきてからは思う存分サーフィンをしている。この島ではサーファーみんなが顔見知りなので、常に「友達だけ」でサーフィンをしている状態なので気持ちがよい。

昨日も波よし、今日もよし。明日はあのポイントでぐりぐりのチューブが巻いているかもしれない。

サーフィンは個人種目のスポーツだけど、競泳やマラソンとは違い完全の「個人」のスポーツではない。波という自然が作り出す限りある資源を他のサーファーと分かち合い共有しなくてはいけない。さらに、サーフィンでは「地元優先」といった社会的ルールが存在する。そのため、一人で勝手にやれるスポーツではない。

サーフィンを通じて自然に関わるだけでなく、他人を尊敬(レスペクト)したり、譲り合いや共有する事を学ぶことができることはサーフィンのすばらしい所だと思う。

西洋社会に10年以上も生活していたので、かなり個人主義な思想をもっていたと思っていたがが、サーフィン中心の生活ができていなかったせいかもしれないと、友達と波待ちしながら思った。

2009年5月28日木曜日

ビーチのごみと環境観

離島暮らしをしているので、ほぼ毎日砂浜に来る。今日もじっと息子の砂遊びに付き合っていると、砂浜のごみが目に付く。

砂浜のごみはある意味ごみだらけである。貝殻に、木片に、ガラス玉に、プラスチックになどなど。

ちょっとまて、以上のリストに本当にごみと考えられるのはプラスチックだけだろう。貝殻は自然界のごみであるが、ごみだとは考えられないし、流木や角の取れたガラス玉は「ビーチの宝物」である。つまりこうである。

  • 自然界のものは=ごみでない。
  • 人間の出すもの=ごみである。

さらに、ガラスや鉄など自然界に存在するものはまだましなのである。プラスチックや釣り糸などの化学的に作られた「石油製品」が「King of ごみ」と見られる。

以前のブログなどでの書いていた、「人間の主観的な環境観」である。

これはこれで問題ない話だが、突き詰めるとこれも問題があるはなしである。プラスチック系のごみで心配するひとつはは「環境ホルモン」である。今はそれほど話題にならないが、一時期異常なまでの報道がなされた。日本の環境省もプロジェクトを立ち上げて問題を調べた。

結果は、「人間にはあまり影響がないので多分大丈夫」である。


それなら、よかったよかっただが。そうでもない。この結論も「人間の健康のため」の「主観的な環境観」であるが、動物の影響がある結果も出ている。そのあたりの動植物を守る「主観的な環境観」も出てこないのは問題ではないでしょうか。

2009年5月26日火曜日

蛍の大群

昨日友人に教えてもらった蛍のスポットに行ってみた。

数千の光が乱舞する未知との遭遇でした。数え切れない数の光が淡くシンクロするように、ついては消えて。始めてみる光景でした。

息子も初めて見る景色にたどたどしくも「すごくきれい」と言っていました。蛍が彼の足に止まった時は、じっとして動かずに蛍が飛び立つまで待っていた。帰りにその事をまたたどたどしい言葉で説明してくれた。

数千の光は感動させるだけの力を持っているが、写真に残るほど強くはない。オスの寿命は一週間もない。いつでもこの数千の光が見れるわけではないが、長期的に個体数の上下はある。もうすでに、川の側面はコンクリートで固められていた。なんだかこのコンクリートの壁が日本の川のスタンダードになっている気がする。「土の壁の川」には動植物が沢山生息している。オックスフォードのようなところでも同じである。この部分はオックスフォードが懐かしいと思う部分ですね。

将来までこの蛍の光を残せていけたらなと思う。

2009年5月22日金曜日

離島の経済学2

この島で友人のビジネスプランの相談に乗った。興味深く、やれることなら参加と手伝いを続けたいと思う。

話して気づいたことは、東京への憧れは捨てるべきだと思う。ミニ東京もしくはミニ京都を目指しても、結局東京にも京都にもかなわない。だから、結局みんな東京を目指して、東京に一極集中してしまう。

単一化する、「質の良い労働者」を目指す教育を受けてきたので、これはしょうがないことなのかもしれないが、今からでも地方の「人とは違っても良い価値観」を持っていこうではないか。


インターネットの世界は自分達で情報を発信していけるのし、誰かがその情報を受け取ってくれていると思うので、ニッチな本当の自分の勝てる事で勝負するべきだと思う。

東京のスマートなオフィスを模倣するより、島の小さな工場から生まれるベンチャーのほうが数段かっこよいと思う。

2009年5月7日木曜日

離島生活の経済学

離島生活を始めたが、始めてすぐに息子が病気で本土で入院することになった。交通費だけで、数万円。離島に帰れないので、入院費と付き添いの滞在費を考えると一週間でかなりの出費となる。

僕はある意味離島生活を選んできたので、文句は言えない部分があるが、離島で生まれ育った人は不公平に考える人もいるだろう。何でもかんでも、「国が補助しろ」と言うのが好きではないので、フェリーに乗りながら、民間でどうしたらよいだろうと考えてみた。

最初に思いつくことは保険。これらのことを保険に組み込む。もし、明確に説明する義務が無いのなら、運送費のように離島料として、上乗せして自動的に本土への医療にかかわる費用にも保険がかかるようにしても良いのではないかと思った。

なかなかいいアイデアかとおもったが、離島からの本土に行かなくては行けない医療の場合にも思ったほどお金がかからないことが判明した。親戚が近所に住んでいるので、そこで泊まらせていただいている。お昼も何度か作っていただいた。彼らが、離島に来たときは同じような出向かいを受ける。このもちつもたれつの関係はGDPなどの経済効果しては測定されない。もらい物、助け合いなど、貧しくてもやっていける経済が離島にはまだある。これを無理やり金銭かする必要は無いが、グローバリゼーションの中でもいろいろと問題もありますね。

2009年4月27日月曜日

頭の賢さ

先月、ウガンダでPartnership for Clean Indoor Air
に参加し、プレゼンをした。その時、一番印象に(悪い意味で)残った事は、GTZの職員と食事を取ったときの話だ。

彼と調理用コンロの安全性の話になった。

「貧しい人は、コンロが危ないのが分かっていないので、コンロを渡せない。それを解決しなくていけない。」

と彼が言ったが、まってくれよ。この手の発言はよく聞く。彼のようなエリートで、高等教育を受けていない人は「考えられない」とか、「頭がわるい」と思っている人がおおい。

教育を受けていないのとインテリジェンスは必ずしも一致しません。現地のコンロが危ないのは、エリートの君よりわかっているはずだとは言いませんでしたが、それなりの事は言っておきました。

僕も似たような経験があります。大学を行く前に、飛行機を洗う仕事をしていたとき、バイトに来ていた大学生に

「象牙海岸という国あるんだよ」

とはなしたら、

「そんな国名があるはずない。僕は大学生なんだよ」

といわれました。

  • 大学生が話すこと=正しい
  • 大学を言った事がない人が話すこと=間違い

なんでしょうね。彼は先生になるといっていましたが心配です。

その後、運よく奨学金を貰ってオックスフォードで博士までいただきましたが、絶対の彼の様に人を見下さないぞを心に決めています。良い経験でした。

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