2013年10月31日木曜日

ストックホルムの峰不二子先生に教わる ~「研究とはライオンの調教」と「ハッピーはプロセス」~



スウェーデンでは、ちょっとしたセミナーをして、ストックホルム工科大学の先生を今後の話をした。このスミダ教授は、ブラジル出身で色んな意味で峰不二子な先生であるが、なんだか憎めない。




話し好きなので、いつも仕事の話から脱線するが、興味深い哲学的な話が2つ有ったのでそれを書いておこう。


研究とはライオンの調教と同じである。

研究とは新しいものの探求であり、それは今まで人が踏み入れたことがない境域に入ることである。それは、快適なことではない。不安で、すぐに退きたくなる。怖くてたまらない。

オックスフォードで博士課程をした時がそうでした。こういう大学だと、手とり足取りで指導してくれません。すごく不安でした。自殺してしまった同級生もいます・・・・。

これは、ライオンを調教する時と同じです。ライオンは、他人が入って来てほしくない「快適ゾーン」があります。それを超えると、「ガオー」と威嚇してくるでしょう。そうしたら、少し退けばいいのです。そして、また一歩前に踏み入れます。そしたら、また「ガオー」をライオンは叫ぶでしょう。そしたら、また少し退きます。

しかし、二回目に踏み込んだ時は、最初に踏み込んだ時より、少し前に出ているでしょう。それは、ライオンの「快適ゾーン」が少し下がったからです。そして、振り返れば、自分の「快適ゾーン」が広がっているからです。

つまり、研究者とは、常に前に進む必要があります。しかし、特攻する必要はありません。少しづつ、自分の快適ゾーンを広げていけはいいのです。

なるほど。なるほど。メモしました。


それから2つ目は禅問答でした。

目的とプロセス

博士課程で重要な事は、WIG(Widely Important Goals「広く重要なゴール」)であって、PIG(Pretty Important Goals「かなり重要なゴール」)ではない。ここから話は始まりました。

PIGとは学会に出るとか、ネットワーキングとかです。こればっかりやっているとWIGである博士論文を書くことを終わらせられません。つまり、森が人生であるなら、木ばかり見ずに、森の風景を見なさいとの事でした。

僕も博士課程の時は、博士論文は命の次、もしくはそれ以上に重要に思えてみましたが、今から思えばそれほど重要に思えません。

「ハッピーに生きることはゴールではないのですか?」とスミダ教授に質問したら、「ハッピーに生きることはプロセスだ」と言われて、僕の瞳孔は最大に開いたことでしょう。

何かゴールを設定しても、そのゴールに終わりがやってきます。そして、また新たに何かのゴールが設定されます。ゴールにたどり着く事ばかり考えていると、人生の大半が辛いものになってしまいます。ゴールを設定することは悪いことではないが、そのプロセスを楽しむことも、またこれ重要なり。

また、一つ勉強になりました。





ここには、以前インドに一緒に行きましたストックホルムのフランシスと一緒に来ました。また、一緒に仕事が出来るのを楽しみにしています。


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