2011年6月23日木曜日

気候変動からの脆弱性を評価する方法 ~Whatが先か、Ifが先か~

気候変動からの脆弱性を評価する方法は大きく分けて、影響アプローチ(Impact Approach)と相互作用アプローチ(Integrated Approach)の2つに分けられる。二つの違いを説明してみる。

影響アプローチは原因と結果を考える、だから、分析の論理は「If, Then, What」である。気候変動が起こった場合をまず想定して(If)、次に(Then)、その影響が何であるか(What)であるか理解する。このアプローチでは、気候変動以外からの影響は、一定であると考える必要がある。しかし、現実は、人々の生活、生態系、ビジネス等は、気候だけではなく、他の人間の活動やその他の要因に依存している。例えば、人口増加する事で、食糧の需要が伸びる。そこで、気候変動から食糧の生産も下がれば、脆弱性が更に上がることになる。更に、近年は食糧への投機的なお金が流れることで、食料価格の上下の動きが増幅される。これらの、影響は多分気候変動の影響より大きいだろう。だから、気候以外の影響を考慮しないと、評価に信ぴょう性がなくなってきている。クライメイトゲート事件からは特に・・・・。

この気候以外からの影響も考えた二番目のアプローチは、相互作用アプローチといわれる。このアプローチは、気候変動からの影響は、人々の生活、生態系、ビジネス等に影響を与える一面でしか無いと考えている。相互作用アプローチは「What, Then, If」と考える。気候変動が発生したときに、社会と生態系は、何に(What)敏感であるかを、気候以外の項目も含め考えておく。そして(Then)、もし、(If)実際に起った場合、どこが影響をうけるか考える。「If, Then, What」と「What, Then, If」の違いはこじつけ半分だが、スタート地点が、「気候」から入るのかそれとも、影響されうる「人々の生活、生態系、ビジネス等」から入るのかを表している。Whatを先に考えることにより、視野が広がり、包括的な評価ができる。しかし、物事が大きくなりすぎて大変な側面もある。

それから、当然現実は、評価の再考を何度も行うので、二つのアプローチを統合して、 社会と気候因子を相互に評価することになる。

久しぶりだったが、今日はここまで。

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