Risk Analysis: A Quantitative Guide
posted with amazlet at 09.07.20
David Vose
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昔、良く参考にした本ですが、今回仕事でもう一度みなおしてみた。最近はあまり、Excelでのスプレッドシートモデルはしないが、第10章の「エキスパートからモデルインプットを探り出す方法」はいつ読んでも役に立つ。
一度、まとめてみる。「エキスパートからインプットを探り出す」事が失敗する原因は:
- エキスパートではない、エキスパートに意見を聞いてしまった。
- 企業文化などで、やけにポジティブは意見を言ってしまった。
- エキスパートの都合の良い意見を言ってしまった。
- 極端なシナリオを考慮しなかった
- 無理に【正しい」意見を言おうとしてしまった。
- KGやリットルなどの単位を間違えてしまった。
- エキスパートが忙しすぎて、きちんと答えなかった。
- エキスパートだから、不確定な事を言わなかった。
特に一番最後の項目が問題である。エキスパートは何でも知っているので、「これだ!」と絶対的な事を言わなくてはいけないと思っている。何度もこのブログや昔のブログで言っているが、不確定要素は無くなら無いものがある。不確定要素は「XXXぐらいから、YYYぐらいの間です」いった様に表現できるのだから、そのふり幅と分布をエキスパートとして説明できることが求められている。
そして、エキスパートだから、そんなあいまいな事を言ってはいけないと分布がいけないことはエキスパートとして失格である。
そのため、適切な分布を調べるためには、複数のエキスパートとブレインストームをするとか、自分の意見を訂正する機会を与える必要がある。
著者のVose氏はブレインストームをするときの順序を注意点を以下のようにまとめている。
【順序】
- 事前に情報を集めて、配布しておく。
- 不確実なことについて議論する事を進める。
- チェアマンとして、ブレインストームを構成する。
- ブレインストームをするときに、きちんとメモをとり後に配布する。
【注意点】
- それぞれの、エキスパートに問題点に関して考える時間を与える。
- ブレインストームの後に、個々の意見を述べる事を推奨する。
- 静かな参加者を特にサポートする。
- 意見の違いは簡単に見つけ出せるので、その点にも注目する。
何度やっても完璧には行きませんが、肝に銘じます。