2012年2月21日火曜日

インドに行って来ました2。~セキュリティー問題と気候変動適応策~



インドの行った理由はAsian Security Conferenceから招待されたから。上の写真でもプレゼンをしております。休暇扱いにして行きましたが、アカデミックな刺激を浴びてリフレッシュすることができて良い機会でした。


その中でも、一番よかったと思った発表がCleo Paskal博士の「Environmental Change -- A Very Traditional Threat 」。環境変化、特に気候変動をセキュリティーの観点から議論しています。





気候変動適応策は良く「開発問題」と「災害削減」の観点から議論されます。Cleo Paskal氏のセキュリティーからの議論は「災害削減」の観点からと考えてよいでしょう。

彼女は、気候変動は昔ながらのセキュリティーであると位置づけています。昔からセキュリティーや防御のコンセプトは周りの「環境が変化しない」事を前提に作らている。しかし、現実には環境は変化し続けています。例えば、最近空港が洪水で使えなくなることが多々あります。ペンシルベニア、マサチューセッツ、バンコク、クイーンズランド州の空港が昨年洪水で閉鎖しました。その為、環境変化はそれほど強調されていなかったが、戦争や行動計画に昔から取り入れられています。つまり、環境変化や気候変動は普通の事なので、それを取り入れていないことが間違いであると言えるでしょう。


彼女は環境変化とセキュリティー問題の例を2つあげています。一つは「小島が領土を定義していた場合、その小島が消えたらどうなるだろうか」の話。この話は冗談ではない。特に日本、中国、インドの周辺では起こっている話しである。モルディブがもし消え失せたら、モルディブは国として成り立つのだろうか?日本の南の小島が消えたら、日本の領土は縮小するのだろうか?

海面上昇の影響は非常に限定的とされている。影響も突発的なものでないため、徐々に対応すれば良いと考えられている。しかし、島がまるごとなくなると話は違ってくる。そして、これが一番可能性がある海面上昇の問題であると思う。

もう一つの例が、北極海の領土の問題。北極周辺の温度が上がれば、永久凍土が溶けて、北極海航路が開く。永久凍土石油のパイプラインが機能しなくなるのと同じく、北極海航路から石油を輸出できるようになる。

興味深いプレゼンテーションです。お勧めです。


ついでに、僕のプレゼンテーションも貼っておきます。興味がある人は見てください。脆弱性評価のターゲットを決める方法について話しています。英語での生活に不自由はありませんが、いつまで経っても発音が下手なのがバレバレです。機会があったら今度説明してみます。


Food Security and Climate Change Vulnerability in Indonesia/Bali - Takeshi Takama




明日は、インドに行ったもう一つの理由であるインドのクリーンコンロの現状について書いてみます。

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