2009年6月28日日曜日

夏用のサーフボード・ワックスを自作

この島にはサーフショップがないので、サーフボードにワックスはネットで買うか、本土に行ったときに買うしかない。そろそろ夏用ワックスが必要になってきたので、どうしようかと思ったが、たかだかワックスごときをネットで買うのもどうかと思い、あまった冬用のワックスを元に自作する事にした。


サーフボードのワックスは、普通の蝋と、粘度きめるパラフィンと、香料を混ぜれば簡単に作れる。今回は冬用ワックスを使うので、普通の蝋を混ぜれば少し硬めに夏用ワックスが出来るのだ。


まずは、サーフボード・ワックスの型となる箱を折り紙で自作。A4サイズの紙を半分に折って、以下のリンクの折り紙箱を作ればちょうど良い大きさになる(少し大きいかな?)。


  • おりがみ箱作り方: "おりがみ箱作り方
    おりがみ箱は、チラシでも新聞でも、両面使ったコピー紙でも、作る事が出来ます。"



後は普通のろうそくとそこらへんに転がっていた冬用ワックスの残りを、空き缶の中で溶かす。











湯銭でじっくり溶かすつもりだったが、めんどくさくなり火にかけた。



まじりっけなしのろうそくのほうが、融点が高いのでなかなか溶けてくれなかった。



完全に溶けたたら、良く混ぜて型に流し込む。流し込む寸前に、豆腐の入っていたケースをリサイクル箱の中に発見。急遽、折り紙の箱の代わりに使用。





これがどんぴしゃに上手くいって、豆腐のような綺麗な夏用ワックスが出来た。



冬用ワックスよりは硬めで上手く行きそう。明日は久しぶりに波がありそうなので、早速テストする。二つあればそこそこもちそう。

今度は、有機ワックスでも作ってみよう。

2009年6月27日土曜日

サンゴ礁と遺跡のフォーラムに行ってきた



今日はこの島でサンゴ礁と遺跡のフォーラムがあったのでいってきた。

サンゴ礁の分布はまだこの島では良くわかっていないので、それを保護するだけでも価値があることだが、参加者にはサンゴをどう増やしたらよいかの話が出た。

技術的にはサンゴ礁を養殖することはすでに可能らしい。つまり、人口リーフを本物のリーフで作ることが可能なわけだ。人口リーフでなく、養殖リーフでしょうか。

頭の中は完璧なリーフブレークをサーフィンしたいともやもやですが、海の森であるサンゴ礁が増えれば水産資源も増える。しかし、この島だとわかめなどの海藻類の収穫に影響がでるかな。

話を戻すと、サンゴ礁のモニタリングは6年前から始まったわけで2007年までは若干増えているようだったが、2007年に白化(コーラル・ブリーチング)がおきて一気に多くのサンゴが死んだらしい。サンゴ礁のコアを採集することで、気候の変化などを調べているようだが、過去40年間このあたりの海の温度は上がっているようだ。もちろんエルニーニョの影響もあるだろうが、温暖かもサンゴの白化につながったのかもしれない。サンゴの白化のメカニズムは定かではないが、一種のストレスだ。

2400年ほど前からこの辺りにサンゴ礁ができるようになったそうだが、土器は6000年前の地層からも出て来る。普通この手の自然環境と人間の影響の話になると自然環境の方が古いのが普通であるが、今回は違うのが面白い。

2009年6月26日金曜日

「迷っていてはいけない事」を統計学的に考える

僕は優柔不断なところあり、同じ事に二度三度意思決定を下す事が多々ある。

しかし、それは統計学的にはよくないことである。

統計学的には「テストの何度もするな!」とは、「けちの原則(parsimony)」である。

統計上には二つのタイプのエラーが存在する:
  1. タイプ1:本当は正しいけど、間違っていると判断する。
  2. タイプ2:本当は間違っているけど、正しいと判断する。
この場合、タイプ1のエラーのほうが問題が多い。例を使うと分かりやすい。例えば癌検診をかんがえた場合:

  1. タイプ1:本当は癌だけど、見逃してしまう事
  2. タイプ2:本当は癌ではないけど、癌だと誤診してしまう事

タイプ1のエラーを犯してしまうと取り返しがつかないことになる。そのため、通常タイプ1を出来るだけ少なくするように判断が下される。そして、タイプ1のエラーのほうが通常少ない。

そこで、もしタイプ1のエラーの起こる確率が5%だとすると、一度で意思決定とおこさないとこの間違いは増えてしまう。二度テストを行うとして、どちらもないエラーの起きない状態は:

95%×95%=92.5%

つまり、一度しかテストしないほうがエラーを起す確立は低いのである。

だから、迷ってないでズパッと意思決定してしまったほうがよいのですっと、自分に言い聞かせる。

2009年6月25日木曜日

完璧な波の形

昨日、なんと無しに読んでしまった本。


微分・積分を楽しむ本(愛蔵版)
今野 紀雄
PHP研究所
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2時間あれば読めてします。簡単な数学の本。ふむふむと感心してしまったのが「サイクロイド曲線」。



この曲線は、同じ高さからはじめた場合一番早くある一定の距離を進む。さらに、どこから滑り出しても、ボトムに着くのは同時である。





つまり、サーフィンの波がこの形なら一番スピードが出て、一番長い距離を進むことができる。

サイクロイド曲線上は、もし、水や波の抵抗が無い場合、ボトムまでおりきったスピードでそのままトップまであがることできる。もちろんサーフィンの波は前に進んでいるし、ボードの蹴り込む力も使うのでトップのアクションもスピーディーになる。

Wikipediaに説明によると:

サイクロイド - Wikipedia: "サイクロイド (cycloid) とは、円がある規則にしたがって回転するときの円上の定点が描く軌跡として得られる平面曲線の総称である。"

図で見るとさらに簡単:


この形は、サーフィンだけでなく、スケートボードのハーフパイプ(ランプ)に使ってもよさそう。日本のお寺の屋根も雨を早く流すために、このサイクロイド曲線になっているらしい。


そういえば、昔見た、シェーン・ドリアンが主演のいまいちなサーフィン映画「In God's hands」を見たとき、「ランプは中国建築だ」といったせりふがあったが、こういったことだったのですね。


それにしても、天気が良すぎて波がないね。仕事盛りです。

2009年6月24日水曜日

気候変動のコストは誰がどれだけ払う?

気候変動のコストを先進国が払う事が、ある意味「気候変動の適応策」で大きな部分である。

汚染者負担の原則(PPP)は国際的な環境協定で負担の分担を話しあう一般的な出発である。
これは、環境汚染(気候変動での温室効果ガス排出)のコストが汚染を引き起こした人々によって負担されるべきであると述べており、直観的で論理的である。

すなわち、
「先進諸国は気候変動の根本の原因に対するより大きな責任を持つ、だから、発展途上国に気候変動のコストを払わなければならない」。
である。

この、論理的訴えにもかかわらず、PPPはアプリケーションでは概念上の難問がある:
  • 汚染者は、国か、個人か、過去の世代か、民間ビジネスか?
  • さらにまた、どのように、発展途上国の温室効果ガス排出への増加している貢献をどう捕らえるべきか。

これらの問題を解決しなくてはいけないが、そうそう待ってもいられないので、気候変動のコストを払う枠組みが、マラケッシュで行われたCOP7で決められた:

  • the Least Developed Countries Fund (LDCF): 5千万ドル
  • the Special Climate Change Fund (SCCF): 1億7千2百万ドル
  • the Adaptation Fund: 9千1万ドル
この金額を大きいととるかどうかわかれるところだが、アフリカのあるグループは必要な金額を年間600億ドル以上としている。

今の所ギャップが大きすぎるな。

2009年6月20日土曜日

「間違った認識フレーム」と意識調査

今回の短いストックホルムの滞在も終わってしまった。夏に来る分には楽しい場所だ。前回4月の頭にきたときは、まだ雪が残っていたのでたまらない。

今回、ストックホルムにきた理由のひとつは生徒に行動経済学のひとつである「選択」による経済分析をおしえるため。もともとは、McFaddenが200年のノーベル経済学賞と取った交通分析に使われていた手法だが、今は交通だけでなくマーケティング、医学、環境の分野でも使われている。

メインにおしえたのはこの分析だが、トバレスキーとカーネマンがノーベル経済学賞を取った話もまぜたが、これが結構受けが良かった。

マクファデンの「選択」の話はもちろん、経済学の合理化ができている人間の話で、トバレスキーとカーネマンの話は合理化できていないとどうなのかといった話である。

これは実際にトバレスキーとカーネマンが使った例である。

二つのくじがあるとする。




一つ目のくじ引きで「当り」と「はずれ」を引く確率は以下のとうりである。

「くじ1」
確率カクリツ (白)90%(赤)6%(緑)1%(青)1%(黄色)2%
支払シハラい $0   +$45  +$30   -$15   -$15

もうひとつのくじの「当り」と「はずれ」の確率は以下とする。

「くじ2」
確率カクリツ (白)90%(赤)6%(緑)1%(青)1%(黄色)2%
支払シハラい $0   +$45  +$30   -$10   -$15

どちらのくじを引くほうが良いであろう。

答えは簡単で「くじ2」だ。青玉を引く以外、結果は同じで青玉を引いた場合、二つ目の結果のほうがましである。


それでは、次の場合はどうだろう:

「くじ3」
確率カクリツ (白)90%(赤)6%(緑)1%(黄色)3%
支払シハラい $0   +$45  +$30   -$15

「くじ4」
確率カクリツ (白)90%(赤)7%(緑)1%(黄色)2%
支払シハラい $0   +$45  -$10   -$15

20秒ほどで判断すると・・・・・。



「くじ3」と答える人が多い。実際は「くじ4」である。最悪「-$15」と最高「+$45」な状況は、共におなじである。それでは期待される結果はというと、確率×支払いの合計で、「くじ4」である。

なぜ間違った判断を下すかというと、「くじ4」は損する玉が2種類あることに惑わされるのだ。つまり、「間違った認識フレーム」が合理的な意思決定を妨げる結果になってしまっている。

これはアンケート調査をするときでもおなじである。複雑な様式では「間違った認識フレーム」を作ることになるので、時として正しい意識調査ができない。

個人的にはこのような事に時間を割いて、質の良いデータを得ることのほうがモデル化に時間を割くより大事だと思っている。

2009年6月15日月曜日

サイバーな関係から

昨日は、運営に関わっているNGO:「Living in peace」の雑誌インタビューに参加してきた。

インタビューの最中に気づいたことだが、みんなと代表のつながりはブログなのだ!! みんな、いろいろフォーラムに参加したりとか、友達の友達とかと思ったが実は、サイバー上での知り合いから現実の友人になったのだ。

僕と代表とのかかわりは、共通の友人をワンクッションおいているが、その共通の友人とはブログで知り合っているのだから、ブログが無かったら知り合っていなかったことになる。

昔のブログと書いていた時ややめた後で、仕事で日本の環境の研究所をたずねたときに「ブログを書いていた方ですよね」と聞かれたことが何度がある。

このような人と人のつながりが、うれしいと思う。前回のブログで嫌なことがあったので、もうブログは書かないどこうと思ったが、1ヶ月ほど前に、鎌倉の研究所で「また書いてください」と頼まれたのを口実に再開したが、そういえば、まだ哲学的なことは書いていないな。

2009年6月11日木曜日

経済学から見る、「サーフィンに行きたい」弾力性

昨日は夏場がよくなる場所でサーフィンをしたが、ズバッといく波に乗れてよかったです。ようやく、最近ニュージーランドにいた頃の感覚が戻ってきた気がします。オックスフォードにいた7年は「サーフィン暗黒時代」でした。

やろうと思えば、オックスフォードからでもサーフィンはできたのだが、強烈な博士過程のプレッシャーでおかしくなっていましたから、場所のせいにはしてはいけないですね。

経済学には弾力性のといった考えがある。ウィキペデアによると:

弾力性 - Wikipedia: "経済学において弾力性(だんりょくせい、英語:elasticity)とは、ある変数の変化率ともう1つの変数の変化率の比である。一般に、「AのB弾力性」という言葉があった場合、Bの変化率に対するAの変化率(=Aの変化率/Bの変化率)である。"

つまり、

  • Aを「サーフィンに行きたい情熱」
  • Bを「サーフスポットへの距離」
とする。

ここでAの変化率/Bの変化率は、サーフスポットまでの距離から見た、「サーフィンに行きたい」弾力性である。

もし、オックスフォードにいた頃の「サーフィンに行きたい」が非弾力的でなかったら、僕はどんなにサーフスポットが遠くても、サーフィンに行っていたことだろう。「サーフィンに行きたい」需要曲線の傾きは、サーフスポットへの距離に対して急になる。だから、どれだけ海から遠く住んでいようとも、「サーフィンに行きたい気持ち」あまり減らない。

この、個人的な需要曲線を集めることができたら、サーフィンの価値の需要曲線が見つけられるんだけどね。

2009年6月10日水曜日

サーフィンの金銭的価値の決め方

お金とは物々交換の代わりに、複雑になった人間の活動をスムーズにするための血液であり、経済学とはそのお金を活動の指数として示すことである。つまり、経済学とは、「成金になってやる!」と言うやましい考えではなく、人間活動がどれほど貢献しているかを、他の経済活動と比べてみようと言っているのである。

そこで、ものや行動の価値を決めるのは主観的であり、比較によるものである。例えば、

少しありえない話だが、似たような二つのサーフ・スポットに隣接する駐車場があったとしよう。

1:100メートル乗れるポイント・ブレークの波で、駐車料金は1000円
2:150メートル乗れるポイント・ブレークの波で、駐車料金は2000円



この場合1メートル走れる波の価値はいくらだろう?単純に1000円割る100メートルで「メーターあたり10円」は間違いである。

1と2の差は2が50メートル長く走れて、1000円余分にはらう、つまり「50メートル長く波に乗るために、1000円余分に払う」のである。そこで、1メートルの波の価値は1000円割る50メートルで、20円である。

しかし、価値とは主観なので、もしあるサーファーの「波の価値」がメートルあたり20円以下なら、1のサーフ・ポイントを選んで1の駐車場にとめるべきである。

当然、彼・彼女の「波の価値」がメートルあたり20円以上なら、2の駐車場にとめるべきである。

サーフィンの経済学でした。

2009年6月7日日曜日

海のごみ

昨晩は、島のサーファーと夏に開く子供と海の会を話し合った。ひとつの案は海のごみ拾いを楽しく行うこと。そして、今朝はその続きでいつもお世話になる浜ででごみ拾いをしてきた。

気づいてはいたが、人口のごみが多い。プラスチックごみがほとんどだ。少し古いが2005年に開かれた「海洋ごみ問題シンポジウムinとやま」によると、日本の沿岸に打ち上げられるごみの総重量の67%と総数の78%がプラスチックごみらしい。

そして、このごみの多くが朝鮮半島から流れてきているのは、ごみに書かれているハングル語がしずかにおしてくれている。今僕が住んでいる島に一番近い島は対馬で、統計上は85%のごみが韓国から流れてきていることになっている。

海に打ち上げらたごみはぼろぼろになって、塩分を多く含んでおりリサイクルは困難のようだ。そのため埋めための予算も馬鹿にならない。この予算は地方自治体はふたんしており、この島でも一月2回のごみの清掃が行われているがとても間に合ってはいない。

本来ロンドンダンピング条約を採択した国は海に投棄するべきではない。日本も韓国のこの条約を批准している。しかし、韓国はいまだに海中への投棄を不法としていない。

日本は日本海の西側、特に僕のいるこの島は日本海の南西の端にあるので、ごみが集まりやすい。そのため冬は極上のうねりが入ってくるのだが、そのうねりに乗って大量のごみも韓国から流れてくる。

あまり、ある国を相手だったことは書きたくないが、今日注射針を浜で拾った事が許せずについ書いてしまった。

2009年6月3日水曜日

旅行業界に見るサーフィンと経済発展

サーフィンの経済効果についてここ数日考えては、メールでやり取りしているが、考えれば考えるほど大きなイシューであることに気付かされる。

サーフィンほど旅に密着したスポーツも珍しいだろう。僕も過去にサーフボートとテントをもって海外のサーフスポットを回ったこともある。サーフィンの旅行業界への貢献度は思っているより大きいだろう。

バリなど、サーフスポットがそのままビーチリゾートに変わったようなものだ。発展を遂げた島は良かった事ばかりでなく、渋滞、犯罪、乱開発などの問題もある。電気も水道もない昔のインドネシアのニアス島でサファリをしたことがあるが、今はリゾートホテルがあるそうだ。一回り昔の話なので、想像できないような変貌を遂げているかもしれないが、第二のバリになっていなければよいな。

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